シンガポールで販売の承認を受けた
ブランド「GOOD Meat」の培養鶏肉

▲ 培養鶏肉を使ったナゲット ©Eat Just

アメリカの食品スタートアップ Eat Justはこのほど、同社が開発する培養鶏肉がシンガポールでの販売の承認を受けたことを発表した。同社によると、動物の細胞から培養された食肉としては、当局から承認を受けた世界初の事例となるという。

この人工鶏肉は、鶏肉の細胞を培養したもので、ふつうの鶏肉よりも微生物の含有量がきわめて低く、私たちが安心して食せるという。また、タンパク質やアミノ酸、不飽和脂肪、ミネラルを豊富に含んだ栄養価の高いものそうだ。

同社は、シンガポールの製造業者ともパートナーシップを結び、培養鶏肉を製造する計画だ。「GOOD Meat」というブランド名で、まずは地元レストランへの販売を予定している。

▲ 培養鶏肉のグリルチキン ©Eat Just

世界の食料供給において、安心安全な食材としての培養肉は注目を集めており、この10年間で、培養肉開発に向けた動物細胞の培養技術の応用が増加。また、2050年には食肉の消費量は70%以上も増加すると予測されていて、より安全で効率的、そして環境負荷の少ない食肉生産方法の確立が喫緊の課題となっている。

また、国土の狭いシンガポールは食料自給率が低いことで知られるが、Eat Just はシンガポールをアジア太平洋地域の食品イノベーションハブとして位置付け、地元パートナーの技術力を背景にGOOD Meatを戦略的に展開したい考えだ。End