慶大医学部発の企業がスマホで眼科の診察を
可能にする医療機器「Smart Eye Camera」を開発

慶應義塾大学医学部発のベンチャー企業「OUI Inc.」(ウイインク)は、国際金融公社(IFC)が主催する「TechEmerge Health East Africa」において、同社がケニアの小児科病院「Gertrude’s Children’s Hospital」と協働で提案したパイロットプログラムが支援対象として採択されたことを発表した。

IFCは、世界銀行グループの一員で、途上国の民間セクター開発に特化した世界最大の国際開発機関。IFCが主催するTechEmerge Health East Africaは、世界のテクノロジー企業(医療テクノロジー・医療機器等)と東アフリカ(ケニア、ウガンダ、エチオピア)の主要ヘルスケアプロバイダーをマッチングさせ、パイロット事業を支援する事業を行なっている。

また、OUIは、眼科の診察を可能にする iPhoneアタッチメント型医療機器「Smart Eye Camera(SEC)」の開発を手がけている。

▲マラウイ共和国でのパイロット実証で、SECを使って患者の診察を行う現地医療スタッフ

世界の失明原因の第一位は白内障だという。白内障は、適切な時期に治療をすれば失明に至らない可能性が高いが、発展途上国では白内障による失明が社会問題となっているそうだ。

SECは、iPhoneに取り付けて使用する小型な医療機器なので、電気のない地域や被災地など場所を選ばず眼科診察ができる。

同社は今後、IFCの支援を受けながら、SECを使ってケニアの地方部と都市部をつないだ眼科遠隔診断モデルの構築を目指すことにしている。End