三井デザインテックと東京大学の共同研究
働き方「アクティビティ・ベースド・ワーキング」の調査結果が公開

▲写真:Andrea Davis

空間デザインを通じて社会をデザインする三井デザインテックは、新型コロナウイルスによってリモートワークが増加するなかで注目される働き方「アクティビティ・ベースド・ワーキング(ABW)」について、フィンランド国立労働衛生研究所をパートナーに、東京大学大学院経済学研究科・稲水伸行准教授と共同で「ABWの環境と働き方がもたらす効果」についての研究結果を発表した。

今回の研究では、自らが業務に適した環境を選択する働き方であるABWの効果について調査を実施。三井不動産ビルディング本部の社員200名を対象に、同研究所のアンケートをもとにしたWEBアンケートと、ビーコンセンサーによる位置情報アプリ「Beacapp Here Pro」で取得した行動データから結果を得た。

まず、アンケート項目により、ABW環境を「個人の仕事」、「チームの仕事」、「コミュニティ形成」のしやすさという観点で評価。個人とチームのパフォーマンス向上やコミュニティ形成のためには、各活動に適した ABW 環境を活用することで効果が得られることがわかったという。

ついで、行動データから、オフィスの滞在時間が長く、多くのエリアを使用しているワーカーがもっとも「クリエイティビティ」と「ワーク・エンゲイジメント」が高くなる傾向が見られたそうだ。

▲総合職・管理職別にみたオフィス行動(時間・場所・遭遇)によるクリエイティビティとの関係

そして、総合職はオフィスに滞在するだけではなく多くの人と接することが、また、管理職はオフィスに出社し滞在するだけではなく、さまざまな場所で異なる組織の人と接することがクリエイティビティの向上に繋がることが判明した。

以上のことから、今後、リモートワークの広がりと合わせて、ABWの働き方を取り入れる企業の増加が予想されるという。

個人の仕事は、自分で最適な環境(自宅、シェアオフィス、自社オフィスなど)を選択することによって生産性を高めることが可能としている。

その一方で、チームでの協業やコミュニティの形成、多くの人や異なる組織の人と接する環境については、リモートワークが主流となっても、企業が適切な環境を用意することで生産性の維持向上に繋がると結論づけている。End