キユーピー、食生活の改善で
がん発症リスクの低減を目指す研究を公開

毎年2月4日は、ワールドキャンサーデー(世界対がんデー)である。UICC(国際対がん連合)日本委員会では、「世界中で人々ががんのために一緒にできることを考え、約束を取り交わし、行動を起こす日」と定めている。

こうした取り組みに合わせ、キユーピーは、マイクロRNAを指標として、食生活の改善でがん発症リスクの低減を目指す研究を以前から進めているという。その研究内容をまとめた論文がこのほど、国際学術誌「Seminars in Cancer Biology」に掲載されることになった。

同社では2013年から東京医科大学の落谷孝広教授(当時は国立がん研究センター研究所 分子細胞治療研究分野 分野長)と共同研究を進め、今回、論文「がんにおける食とマイクロRNAの関係性とその可能性」を上梓。学術誌への掲載に先立ち、2021年1月よりオンラインで公開されている。

この論文では、疾病のなかでも特にがんにおける早期診断・予防、発がんリスク予測の実現に対するマイクロRNA研究の現状と可能性、その課題について言及。

また、発がんリスク予測などを通して疾病が発症する前に対処・予防することの重要性と、その戦略のひとつとして、マイクロRNAを指標とし、食でがん発症リスクの低減を目指すことの可能性や課題についても述べている。

これによると、加齢やストレス、不健康な食習慣などによって、マイクロRNAの発現異常をともなう未病状態に移行することが考えられるが、食生活の改善などによって、正常なマイクロRNAの発現パターンに戻り、健康状態も改善される可能性があるそうだ。End