アート作品のためのICタグ付きブロックチェーン証明書発行サービス「Startbahn Cert.」を提供するスタートバーンは、集英社が開始するマンガアートの世界販売事業「SHUEISHA MANGA-ART HERITAGE」（SMAH）に同サービスが導入されることを発表した。

マンガの原画は、週刊や月刊というサイクルで描かれるので、退色や劣化の起きやすい染料系のインクが多く使われているという。

そこで集英社は、「マンガを、受け継がれていくべきアートにする」というビジョンのもと、2008年からカラー原画の高精度スキャンを開始。描いた当時の色彩や質感を保てるように、原画をデータ化アーカイブしてきた。

そして、このデジタルアーカイブ事業を活用し、マンガ作家の画業に光を当て、彼らの作品に「美術品」としての永続的な価値を与えるという新しい取り組みとして、マンガアートの販売サービス「SMAH」をスタートする。

SMAHでは、デジタルアーカイブと耐光性のあるインクを用いて、一般の商業印刷では再現できなかった色彩やディテールを表現。美術館や博物館での収蔵に使われるコットン100％の紙にプリントすることで、原画の持つ力が最大限に感じられるという。また、その品質を維持するために、各プリント作品のエディションは20枚までに限定されるそうだ。

今回のサイトローンチ時には、尾田栄一郎「ONE PIECE」、池田理代子「ベルサイユのばら」、坂本眞一「イノサン」「イノサン Rouge ルージュ」の作品を販売。印刷手法やカラーリング、サイズなど、幅広いラインナップを展開する。

また、「Startbahn Cert.」は、アート作品の価値に関わる情報や来歴を永続的に記録することで、作家の手元を離れた後の真正性の担保を実現。

購入された作品には、ICタグ付きブロックチェーン証明書「Cert.」が同梱。購入者はCert.をスマートフォンなどで読み込むことで、作家や作品の基本情報、作品の来歴、作品の流通や利用に関するルールセットなどを簡単に閲覧できるようになるとしている。