長崎・雲仙を舞台に、在来種の野菜に着目した
オンライン展示「種を蒔くデザイン展」

▲© 繁延あづさ Shigenobu Azusa

長崎県雲仙市を舞台に、オンラインで発信するWeb展覧会「種を蒔くデザイン展」が2021年3月13日(土)から3月29日(月)まで開催されている。

今日流通する野菜のほとんどは、命を繋ぐことなく一代でその役目を終えていくものである。また、これと同じように、日々生み出されるデザインの多くは、その場限りで消費され、捨てられていく。

その一方で、在来種の野菜たちは、現代経済社会において規格外として流通から外されてしまう。しかし本来は、一代限りで終わることのない、100年1000年続いていく生命力を宿した種なのだ。

そこで同展では、消費されるためでなく、普遍的で、未来の子どもたちへ残す意思と確かさを宿したデザイン展として、「農とデザイン」「環境問題とデザイン」「風土に根差すデザイン」という3つのテーマのもと、4つの展を展開する。

▲© 繁延あづさ Shigenobu Azusa

▲© 繁延あづさ Shigenobu Azusa

プラスチックフリーの八百屋展」は、雲仙市千々石町のオーガニック野菜直売所・タネトが、土と野菜をそのままに、野菜売り場を完全プラスチックフリーにデザイン。

城谷耕生プロダクトデザイン展」では、雲仙市小浜町生まれのデザイナー・城谷耕生の作品を同町のカフェ「刈水庵」にて展示。同氏が実践・志向してきた、できるだけ新しいものを使わず、いまある資源を活用し生産過程でゴミをできるだけださないデザインを楽しむことができる。

▲© 繁延あづさ Shigenobu Azusa

▲© 繁延あづさ Shigenobu Azusa

▲© 繁延あづさ Shigenobu Azusa

種を蒔く仕事展」では、デザイナー、布作家、鍛冶職人、パン職人、菓子職人、八百屋といった、それぞれの道を歩く8組にインタビューし、インスタライブで配信。皆川明柳原照弘原田祐馬といったデザイナーも登場する。

種を蒔く料理展」は、同市で40年にわたり80種におよぶ在来種の種を守り継いできた岩崎政利による野菜を、6組の料理人が料理し、Webサイトで公開する。

また、「種を蒔く音楽」として、岩崎の畑から得るインスピレーションから、haruka nakamuraが即興曲を演奏。その様子を映像作品としてアーカイブする。End

種を蒔くデザイン展

会期
2021年3月13日(土)~3月29日(月)
会場
雲仙市各所および公式インスタグラム
詳細
https://organic-base.com/topic/tanemaki_design/