伝統知と人工知能の融合
京大研究者が仏教対話AI「ブッダボット」を開発

▲研究のイメージ図

京都大学こころの未来研究センター熊谷誠慈准教授、Quantum Analyticsの古屋俊和らの研究グループは、現代人の悩みや社会課題に対して仏教的観点から回答する仏教対話AI「ブッダボット」を開発した。

この「ブッダボット」は、Googleの提供する「BERT」というアルゴリズムを応用したもので、最古の仏教経典「スッタニパータ」から抽出したQ&Aリストを機械学習させている。

精度には課題があるものの、ユーザーからの質問に対して文章の形で回答できるそうで、学術研究や仏教界だけでなく、メンタルヘルスやコンサルティング、教育産業などの分野への応用も期待されるという。

また、JST(科学技術振興機構)のムーンショット型研究開発事業、新たな目標検討のためのビジョン策定(ミレニア・プログラム)で熊谷准教授の研究グループが開発提唱した新テクノロジー「Psyche Navigation System」にも応用する予定だ。

ただし、回答精度の低さ、誤用、意図的な悪用などにより、ユーザーを誤った道に導く危険もあり、当面は学術利用およびモニター利用のみとし、不特定多数への一般公開はしない予定。

仏教聖典は仏教徒たちの信仰の対象であることから、その扱いについても慎重に行う必要があるとしている。End