黒川紀章設計のカプセルハウスKを保存活用する
企画「カプセル建築プロジェクト」が始動

▲「カプセルハウスK」外観(写真:山田新治郎)

工学院大学建築学部の鈴木敏彦研究室は、MIRAI KUROKAWA DESIGN STUDIOと共同で、建築家・黒川紀章設計の「カプセルハウスK」を保存活用する「カプセル建築プロジェクト」を始動する。

黒川紀章(1934-2007)は、1970年の大阪万博ではカプセルを用いたパビリオンを発表し、1972年には東京・銀座でカプセル型の集合住宅「中銀カプセルタワービル」を竣工するなど、住人のライフスタイルや用途に合わせてカプセルごと交換する画期的なコンセプトによる「カプセル建築」で世界的な話題を集めた。

今回のプロジェクトの中心である「カプセルハウスK」は、黒川が1973年に長野県北佐久郡御代田に自分の別荘として建てた建物で、2019年からは同氏の長男である黒川未来夫氏が所有し、修繕と維持管理を行っているという。

鈴木敏彦教授は1984年から1990年にかけて黒川紀章建築都市設計事務所に勤務、同氏の薫陶を受けており、カプセル建築に関する研究は鈴木教授の研究室において進化し、現代的なダンボール製スリープカプセルの開発にもつながっているそうだ。

「カプセル建築プロジェクト」では、2021年5月に「カプセルハウスK」を公開し、6月からは宿泊施設として一般公開するとしており、現在準備が進められている。End