ファーメンステーション、高知県産ゆずの搾汁かすから
ゆずアルコールの精製に成功

独自の発酵技術で未利用資源を活用し、循環型社会を構築するスタートアップ「ファーメンステーション」は、高知県産ゆず搾汁かす(さのう)から高濃度アルコール(エタノール)を精製することに成功した。

▲ゆずアロマティックスプレー

これは、高知県が2020年度にリバネスに運営委託して実施した、スタートアップ企業と県内企業のコラボレーションによる新事業開発促進事業「こうちネクストコラボプロジェクト」の一環として、JA高知県とともに取り組んだプロジェクトだ。

日本一のゆず産地である高知県は、国内生産量約2.0万tのうち、およそ1.0万tを県内で生産しており、50%以上のシェアを保有している。ただ、そのうち約3,500tが未利用果実や搾汁残渣等として廃棄されており、こうした廃棄原料の活用が課題となっている。

今回は、現在廃棄されている「さのう」をJA高知県が提供。ファーメンステーションが独自の発酵技術を用いてエタノール製造試験に取り組み、高濃度エタノールを精製した。また、ゆずエタノール、ゆず精油、精製水を用いた、ゆずと水のみでできアロマスプレーも試作している。

さらに、エタノール試験精製後の蒸留残さは、牛の飼料として活用しており、廃棄物を出さない循環型プロセスの実現を目指している。

同社では、この世界的にも珍しいゆずエタノールを、さのうを活用したサステナブル原料として、化粧品や雑貨原料に利用できるよう原料化を進める予定だ。End