青山見本帖で、小島利之展『SOUNDLESS RECORDS』始まる

プロのグラフィックデザイナーが日参する紙の専門商社「竹尾」の青山見本帖。ここのショウケースでは、毎回グラフィックデザイナーによる実験的な個展が行われているが、4月23日から、アートディレクター小島利之による、ペーパーメイドの音のないレコード盤の展示が始まる。

レコードは、音楽を再生するためにつくられたプロダクトだが、その機能としての役目を次世代のメディアに受け渡してしまった今、そのかたち、大きさを改めて見ると、それ自体がプロダクトとしてなんとも捨てがたい造形をしていることに気づかされる。

音楽好きの小島は、自分が収集した1,000枚ほどのレコードを見ているうち、これを紙でつくり空間を埋め尽くすことを思いついたと言う。そこで、現在でもレコードを制作している東洋化成の鶴見工業を見学。製造のプロセスを見て、竹尾のさまざまなファインペーパーを使ってシングル盤づくりに取り組んだ。

AOYAMA CREATORS STOCK 19 小島利之展 SOUNDLESS RECORDS」で展示される音の出ないレコードは、着想を得てから発表まで、2年半をかけてつくられた。40枚近くに及ぶシングル盤は、特殊加工とUVインクジェットによる紙の「もの」としての魅力を存分に伝える。

その他、レコード制作のプロセスから得たインスピレーションのよるポスターや、LPサイズのレコードジャケットのグラフィックデザインなどを併せて展示する。

AOYAMA CREATORS STOCK 19 小島利之展 SOUNDLESS RECORDS

日時
2021年4月23日(金)―6月18日(金)
土日祝/休10:00-18:00
場所
青山見本帖 東京都渋谷区渋谷4-2-5 プレイス青山1F 表参道駅(半蔵門線・銀座線・千代田線)B1出口より徒歩8分
協力
有限会社コスモテック、株式会社ショウエイ、STUDIO DOUGHNUTS、竹尾紙工株式会社、ツジカワ株式会社、株式会社東北紙業社、株式会社山田写真製版所、株式会社ロッカ
取材協力
東洋化成株式会社