京都発⾼い緩衝性と造形性をもつ
サステナブルな成形品「Pulp Foaming」

京都市に拠点を置くNISSHAは、同じく京都で活動するデザイン事務所 o-lab inc.とのコラボレーションで、⾼い緩衝性と造形性をもつパルプ成形品「Pulp Foaming (パルプ フォーミング)」技術を使ったプロトタイプを制作した。

パルプフォーミング(PF)は、パルプ、でんぷん、⽔から作られたサステナブルな発泡成形品。その緩衝性や造形性を活かすデザインを検討し、パッケージコンセプトPF [monaka]が完成した。

これは、ガラスのような壊れやすい製品をモナカのように「ふわり」と包み込むように保護するパッケージで、果実を思わせる有機的な形状により、軽やかに優しく製品を守ることができるという。

PFは複雑な形状を実現できる柔軟な造形性が特徴で、内容物のフォルムに合わせた、リブなどの設計も可能。さらに、実際にガラスコップを納めた状態で落下デモンストレーションを⾏ったところ、衝撃を吸収して内容物を保護できたことも確認したそうだ。

o-lab inc.を率いるプロダクトデザイナーの綾利洋によると、通常裏側に隠されてしまう構造要素=リブを、PFならではの緩衝性を⽣かしたクッションとして、逆にデザイン要素に採用。中敷を省略することで、パッケージを構成するパーツ点数を通常の4個から2個に削減するなど、サステナビリティにも配慮している。

上⾯にはグラフィカルなテクスチャーを施しており、PFがもつ微細な凹凸による独特の表情により、樹脂とはまったく印象が異なる不思議な⼿触りや外観を実現。天然素材の⼯芸品にも通じる新しい魅⼒と可能性を備えている。End