ロボットアームが髪の毛をブラッシング!
看護師の負担を軽減する仕組みをMITが開発

▲写真提供:MIT CSAIL

看護師が患者を直接ケアする時間というのは多いそうで、患者が増えればその分だけ、各人に割り当てられるケアの時間が短くなるという。

そこで米マサチューセッツ工科大学コンピュータ科学・人工知能研究所などの研究チームは、看護師が費やしているどのような作業を減らすことができるかを考え、髪の毛を櫛で梳かすことができるブラッシング用のボットアーム「RoboWig」を開発した。

同チームによると、2011年にはパナソニックが洗髪やマッサージ、ブローができるロボットを開発していたが、ヘアブラッシングについては見過ごされていたそうで、今回はセンサー搭載型のロボットアームのプロトタイプを考案。

内蔵されたカメラで髪の毛の「カールの具合」をチェックし、ストレートヘアから強めの巻き髪まで、きめ細やかで時間の節約にもつながるブラッシングができるようになるそうだ。

絡み合った髪の毛は人それぞれ異なり、櫛で梳いても複雑にもつれてしまい、結び目ができてしまうおそれがある。さらに、ブラッシングが適切でなければ、痛みを与えたり、髪を傷つけてしまうこともあるだろう。

こうした課題に対して、センサー内蔵ブラシをロボットアームに取りつけ、ブラッシング時にかかる力を測定できるようにした。そして、そのフィードバックからロボットだけで自動的にアクションを実行させることで、ユーザーが感じる潜在的な「痛み」やブラッシングにかかる時間も計算できるようになったのだ。

また、研究チームはこの実験から得られた知見から、医療ケアの現場だけでなく、繊維産業や動物ケアなど、繊維に関するさまざまな分野でのブラッシングにおいて、幅広い活用ができるのではないかと期待している。End