新たに動き出す美術館のかたちとなる
滋賀県立美術館がリニューアルオープン

▲撮影:大竹央祐

滋賀県大津市の滋賀県立美術館は、改修工事のための一時休館を経て、2021年6月27日(日)にリニューアルオープンする。ディレクター(館長)には保坂健二朗が就任し、館名から「近代」を外して、名称やVIも一新した。

クリエイティブユニット grafがリニューアルプロジェクトのデザイン統括・設計・広報を担当。グラフィック、サイン計画、VIは、UMA/design farmが手がけている。

▲撮影:大竹央祐

エントランスロビーとその周辺の空間は「ウェルカムゾーン」と位置づけて再構築。子ども連れなど、多くの人が美術館での時間を楽しめる空間とした。カウンターと休憩スペースはシンメトリーに配置し、カフェ&ショップの什器は可動式で自由にレイアウトを組むことができる。

▲撮影:大竹央祐

▲撮影:大竹央祐

「キッズスペース」は、子どもと大人のスペースを区切らずどこからでも見渡せるようにベンチなどを配置。床の素材にはウレタンクッションを使い、乳児から小学生以上でも利用できる。琵琶湖をイメージしたプレイマットには本棚を設けることで、遊びながらアートに触れられるような空間となっている。

▲撮影:大竹央祐

▲撮影:大竹央祐

サイン計画は、美術館の建築や周辺環境の特徴をとらえ、明快な案内とする素材や色を採用。これまでの滋賀県立美術館の歴史と、新たに動き出す能動的な美術館のかたちを「かさなる(関わり)」と「とびたつ(発信)」をコンセプトに表現したという。

▲撮影:大竹央祐

▲撮影:大竹央祐

また、VIは、美術館の大きな屋根のような三角を組み合わせ、「M」「S」のかたちを制作。地域や現場にとびこみ、とびたっていく様子をかたちに表現し、さまざまな人と手をとり、広くコミュニケーションをとっていく姿を表しているそうだ。End

▲撮影:大竹央祐