天童木工 80年の歴史と、3脚の新しい椅子


2020年、創業80周年を迎えた木工家具メーカーの天童木工。80周年を記念し、昨年から南木隆助のディレクションのもと「TENDO JAPANESE MODERN/ 80 PROJECT」が始動している。この度3名の若手デザイナーを起用した新作家具が完成し、7月2日から、天童木工東京ショールーム&ストアで、また7月7日からは代官山蔦谷書店2号店でもお披露目される。

▲Photo by 山本康平

ほとんど死語になっていた「書斎」というスペースの意義が再認識されている今日この頃。しかし悲しいかな、部屋を増やしたり広げたりすることはほとんど不可能だ。結果ダイニングやキッチン、またはベッドの横でも仕事をする人がほとんどだろう。椅子に求められている役割もここ1年で大きく変わった。
もともと、天童木工は、西洋を源とする椅子やテーブルといった家具を日本の生活空間にたくみに適応させてきた。今回発表された椅子3脚も、オーソドックスな形でありながら、今の私たちの置かれた環境にしなやかに呼応した個性的な家具だ。

この新作家具は、天童木工の「成形合板」技術をいかして中村拓志、二俣公一、熊野亘がデザインしている。

Swing chair

建築家の中村拓志によるSwing chairはT字型の背もたれが、肘置きにもなり、ダイニングテーブルの高さとの収まりがよい。


SAND

二俣公一のSANDはサンドイッチのサンド、挟む、の意味。無垢材の足を複数の成形合板のパーツで挟む構成で、つないでベンチにすることもでき、前後どちらからも座ることができる。


PLYPLY

熊野亘のPLYPLYはもっともシンプルなフォルムだが、天童木工の成形合板の技術が凝縮されたような一品。美しい曲面は、指でなぞりたくなるような滑らかさだ。


「天童木工とジャパニーズモダン」

また、天童木工の80年の歴史をまとめた「天童木工とジャパニーズモダン」が7月下旬に青幻舎から発行される。
デザイン雑誌の編集に長く携わってきた山田泰巨がまとめる「ジャパニーズモダン」は、日本のデザイン史の資料としても意義ある1冊になりそうだ。発刊が待ち遠しい。End

TENDO JAPANESE MODERN /80 PROJECT
新作発表会

会期
2021年7月2日(金)ー30日(金)
会場
天童木工 東京ショールーム&ストア
住所
東京都港区浜松町1-19-2

TENDO JAPANESE MODERN /80 PROJECT BOOK & FUNITUREフェア

会期
2021年7月7日(水)ー 8月6日(金)
会場
代官山 蔦屋書店2号館
住所
東京都渋谷区猿楽町17-5