建築家が手がけてきた従来の技術とコンピュータ設計による
コンクリート3Dプリント歩道橋「Striatus」

▲© naaro

Zaha Hadid Architectsは、モルタルや鉄筋のような補強材を用いず、3Dプリントしたコンクリートブロックで構築されたアーチ型の歩道橋「Striatus」を公開している。

ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展にて2021年11月まで公開されているこの歩道橋は、16m x 12mの大きさで、建築家が手がけてきた従来の技術と、最先端のコンピュータ設計、エンジニアリング、ロボット製造技術を組み合わせており、こうしたプロセスによる橋の建設はこれまでにないという。

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「Striatus」は環境に配慮し、コストを抑えた新しいコンクリート建築の設計を提案するもので、石造りの構造やコンクリート3Dプリント技術、さらには現代的なデザインがもつ特性を最適化している。

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その名称には構造の仕組みや製造プロセスが反映されているそうで、コンクリートは橋にかかる主だった力に直交するように層状にプリントされており、こうした圧縮のみによる「縞模様の(striated)」構造を作ることで、モルタルや補強材が不要になるというわけである。

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また、必要な分だけ材料を使用して無駄を排除することができ、モルタルを使わないことで、ブロックを解体して橋を別の場所で組み立て直すことも可能。橋が不要になったときには、材料を簡単に分解してリサイクルすることもできるそうだ。End