NEWS | 建築
2021.08.30 16:00
建築スタジオ Kaleidoscope Nordicが手がけるコンセプト都市「Powered by Ulsteinvik」は、ノルウェー西海岸の小さな町で、その土地の自然な循環システムとエネルギーを利用しながら、魅力的な生活と仕事の場を生み出すことを目指すものだ。
コンセプトでは、都市機能をもつ街の中心部を作るとともに、海へと続く新しい多目的広場を設置。スマートグリッドや電気式の自動運転バス、グリーンビルディングなどを組み合わせて、既存のインフラを強化していくのが目標である。
たとえば「SmartHub」は、公共機関と民間組織によるイノベーションネットワークを形成するための多機能ビルで、市庁舎やビジネスハブ、公共カフェ、24時間オープンのイノベーションラボが入居。ファサードには、日よけシステムと地元のスマートグリッドに電力を供給する太陽光パネルが取り付けられている。
一方、「Generation Gardens」は、幼稚園、ユースクラブ、介護施設、医療オフィスがシェアする施設で、周囲には、子どもたちが安全に遊べる中庭を備えた屋外エリアがあり、中心部に隣接しているので、都市の文脈に活気がもたらされることになる。
また、新しいタイプの住宅「Circular Neighborhoods」は、循環システムと共有施設を備えた建物で、屋根から雨水を収集してアパートメント全体で使用。中水は、バルコニーや共有温室「GrowHouse」に植えた植物や野菜に栄養分を豊富に含んだ水を提供する。
この「GrowHouse」は、居住者が一緒に料理や食事をしたりできる大きなキッチンを備えており、集会などにも使えるそうだ。
Kaleidoscope Nordicは、新しい集いの場を作ったり、海への接続をよくしたり、歩行者のアクセシビリティを向上させたりと、わずかな改良を加えるだけで、自動車頼りの街の中心部が活気のあるものに様変わりするとしている。