タンパク質の仕組みをよりよく学ぶには?
MITの研究者がブロックを使った教育法を開発

▲Image:Amanda Mayer

私たちが生物の時間に学ぶタンパク質だが、いろんな図解を見ても、その仕組みがいまひとつわからないという人もいるだろう。

そこで米マサチューセッツ工科大学のEdgerton Centerでは、教師がタンパク質を解説するときの新しい方法を提案している。それは小さなブロックを使うものである。カラフルなブロックをつなぎ合わせることで、複雑な分子モデルの仕組みをわかりやすく伝えるのだ。

たとえば、タンパク質の合成のような分かりにくいプロセスを生徒に理解してもらうには、教科書や実験室にあるような図を見たり、動画を見たりするよりも、実際に手で触って体験して理解する方がよいという。

実際、タンパク質が機能するためには、構成要素を正しい配列でつなぎ合わせなければならない。とはいえ、学校でDNAやRNAといったものを順番に教えられても、結局自分たちが何をやっているのか、最終的にはどうなるのか、混乱してしまうのである。

▲Photo:Kathy Vandiver

研究チームは、生徒が最終的にどんなものができあがるのかをあらかじめ知っていれば、タンパク質の合成をはるかによく理解することに気づいたそうだ。

さらに、このモデルを使えば、難しい用語を覚えなければならないといった心理的なハードルを下げることができ、学年に合わせて、簡単な組み合わせから、方向性や結合の強さなど、より高度な概念まで学ぶことができるとしている。

▲Photo:J. Kim Vandiver

また、この方法は、生徒がよりよく学ぶだけでなく、教員の教育にもつながっているという。教員はこれまで以上に自信をもってタンパク質について教えることができるし、生徒が熱心に取り組むことで、未来の多くの生物学者の誕生にも貢献ができるのだ。End