視覚障害者のための
ウェアラブルデバイス「ViXion」

▲Photographer:Tsunehiko Okazaki

HOYAから2021年に独立した、福祉機器の開発と製造販売を行うスタートアップ「ViXion(ヴィクシオン)」のために、佐藤オオキが率いるデザインオフィス nendoがコーポレートブランディングと製品デザインを手がけた。

視覚障害者が社会生活で抱える課題に取り組む「ViXion」の企業名は、「Vision (視覚)」の中心にある「s」を、人の可能性を引き出すことを示す「X」に置き換えたもので、ロゴは一本の長いラインと少し離れた小さなラインを配置した。

このロゴでは、視覚障害者が社会や未来に向けて、勇気をもって「新たな一歩を踏み出す」イメージを表現。メインカラーの白とダークブルーは、コントラストが強くなりすぎない色とし、見やすさと目への優しさを考慮している。

さらに、全国で約145万人いるとされる「弱視者」のために、「夜盲症」と「視野狭窄」という2つの症状に対応したウェアラブルデバイス「HOYA MW10 HiKARI」をデザイン。

フレーム中央にはカメラレンズが搭載されており、キャプチャした映像は夜盲症の症状があっても見えやすい、高輝度かつ高コントラストな状態に高速処理。これを眼前にあるハーフミラーのディスプレイ上に投影する仕組みとなっている。

▲Photographer:Tsunehiko Okazaki

▲Photographer:Tsunehiko Okazaki

▲Photographer:Tsunehiko Okazaki

▲Photographer:Tsunehiko Okazaki

また、目の症状に合わせて、白黒や白黒反転、ハイコントラストな色調に切り替えることが可能。全体を一定以上の明るさにするモードや、映画館のスクリーンや水族館の水槽など、部分的に見やすい明るさに自動補正するモードも搭載している。

▲Photographer:Tsunehiko Okazaki

▲Photographer:Tsunehiko Okazaki

▲Photographer:Tsunehiko Okazaki

これらのカメラ映像は、Bluetoothを介してスマートフォンへ転送することもできるので、子どもの見守りなどを目的として、リモート環境から順路をナビゲーションしたり、読みにくい標識などのサポートをしたりできる。

▲Photographer:Tsunehiko Okazaki

カメラ以外はフロントカバーで覆われているが、シースルーのため、外の気配が感じられ、歩行しやすいそうだ。End