北欧デザインの巨匠タピオ・ヴィルカラを
自身が監修した書籍が復刻発刊

北欧デザインの巨匠タピオ・ヴィルカラ(Tapio Wirkkala、1915-1985)の仕事を日本語で紹介する初めての書籍「タピオ・ヴィルカラ」が2021年11月1日(月)に発売される。

ヴィルカラは、建築家 アルヴァ・アアルトの次世代として、フィンランドのデザイン界を牽引したデザイナー。1950年代のミラノ・トリエンナーレでの成功を機に、世界各地で数多くのデザインを手がけた。

デザイナーであると同時に彫刻家でもあり、機能主義やミニマルな表現からは距離を置き、自然からそのまま形を取り出したような、見る者の心を揺さぶる作品を生み出した。

それから半世紀が経ち、ふたたび「自然から発想するクリエイション」「均一化されることのない、工芸的なアプローチ」「アートとデザインの融合」など、ヴィルカラを再評価する機運が高まっているという。

そこで今回は、1981年にロシアで行われた同氏の回顧展のために自身が監修し、フィンランド工芸デザイン協会から出版された書籍「TAPIO WIRKKALA」を復刻。

ヴィルカラは、グラフィックデザインから、ガラス、あらゆる分野の工業デザイン、彫刻、ランドアートまで、多彩な領域で膨大な仕事を残しながら、自らの思考や手法やについてほとんど語ることはなかったそうだ。

同書では、ヴィルカラによる創造の宇宙を28のテーマに分け、写真やスケッチなど400点以上ものビジュアルを通して、そのデザインの源流をたどり、精神性に触れることができる。

また、復刻にあたり、写真製版を得意とする藤原印刷の高精細スキャン技術により、原書を1ページずつ複写。40年前の手作業による本づくりの味わいも楽しめる。

付録には、各章の解説およびペッカ・スホネンによる論文の日本語訳を収録。さらに、原書の編集とデザインを担当した建築家 ユハニ・パッラスマー、写真を撮り下ろした映像作家・写真家 ピルヨ・ホンカサロ、1950年代からヴィルカラの活躍を間近に見てきた島崎信(武蔵野美術大学名誉教授)によるロングインタビューを収録する。End

▲Photos:Kei Maeda

書籍「タピオ・ヴィルカラ」

発行日
2021年11月1日(火)(予定)
体裁
サイズ A4版変形・W225×H260/原書複製210ページ+日本語オリジナルページ
価格
5,500円(税込)
詳細
https://bluesheep.theshop.jp/items/50633733