現代美術家・小沢剛の「天空からの絨毯」
SHISEIDO THE STORE WINDOW GALLERYで展示

▲Photo:Nacasa & Partners

東京・銀座の資生堂銀座本店「SHISEIDO THE STORE」は、現代美術家・小沢剛が手がけた絨毯を使ったウィンドウディスプレイを2021年12月29日(水)まで公開している。

同氏は、サステイナビリティや地球温暖化などの社会問題にいち早く関心を向けてきた。また、作者自身だけでは完結しない、他者との協働作業やコミュニケーションを必要としたり、その⼟地や人との繋がりについても考えるような関係性を重視した作品を手がけてきた。

作品のテーマは多岐にわたるが、独特のユーモアを交えながら歴史や社会を鋭く批評するのが特徴だ。

▲小沢剛「天空からの絨毯—チベット」2006年 Photo:Nacasa & Partners

今回の絨毯は、小沢自身がフィールドワークでチベット・ヒマラヤの秘境や東シナ海と対馬海峡の浜辺などを歩き、拾い集めたペットボトルをリサイクルして作り上げたもの。

▲Photo:Nacasa & Partners

集められたペットボトルは中国・天津のリサイクル工場へと送られ、再生された繊維で、織られた絨毯がまた天空へと戻っていくさまを表現している。

▲小沢剛「天空の絨毯—青島(中国)/釜山(韓国)/対馬(日本)」2007年 Photo:Nacasa & Partners

絶景を有する聖山に放置されるペットボトルや、海流にのって漂流し続けるといったゴミが、美しく生まれ変わった「空とぶ絨毯」となり、銀座の歩く人々に未来へのメッセージを投げかけている。

また、インスタレーションには、大・中あわせて約1,470本のペットボトルを使用。プロジェクトに関わる人だけでなく、その意図に興味を持つ同社有志も参加して、展示終了後にペットボトルを無駄にしない利用方法を考えるワークショップも進められているそうだ。

▲インスタレーションに使用された約1,470本のペットボトル Photo:Nacasa & Partners

▲小沢剛

なお、「SHISEIDO THE STORE」は10月1日(金)にリニューアル。資生堂のプレステージスキンケアブランド「ザ・ギンザ(THE GINZA)」のフラッグシップサロンと、フレグランスとメイクアップのブランド「セルジュ・ルタンス(SERGE LUTENS)」を同店2階にオープンした。End

小沢剛展示 「天空からの絨毯 THE CARPET FROM THE SKY」

会期
2021年9月16日(木)~12月29日(水)
会場
SHISEIDO THE STORE 1階
詳細
https://thestore.shiseido.co.jp/