飛騨産業、創業100周年を記念した
新ラインアップを発表

家具メーカーの飛騨産業は、2020年8月に創業100周年を迎え、これを記念した新しいラインアップを発表している。

まず、彫刻家・三沢厚彦とのコラボレーションした「SHINRA(森羅)」を開発した。最新の3Dデータを駆使して木材を集積した塊から切削技術で削り出すという、従来の家具づくりとは異なるアプローチを採用し、独特のボリューム感のある存在感と、まるで動物のような有機的な形を作り出している。

三沢は「大地に根ざした一本の樹木が連なることで森を形成します。そこに生息する小さな樹木を製材し、集積した塊を彫り出すことで SHINRA は生まれました。空間に置かれると、森の香りが立ち込めます」とコメントしている。

▲ラウンジチェア

▲ラウンジテーブル

▲スツール

次に、100周年記念事業の第1弾として建築家・隈研吾とコラボレーションした「クマヒダ」シリーズには、新たにラウンジモデルが追加された。

体に当たる部分を柔らかいクッションや布・革を纏うのではなく、木材を削り込むことでクッションを必要としない新しいラウンジチェアの形を目指した。

さらに、置かれる空間の魅力を際立たせるため、視線を遮る背束が無い独特の構造で「抜け感」を重視。樹木が持つ「柔らかさ」と「軽やかさ」を表現しており、構造的な強度確保と美しいデザインが絶妙なバランスで実現されている。

▲ラウンジチェア

▲ラウンジ2シーター

▲ラウンジテーブル

また、100年前の創業当時の製品ラインナップから復刻した「第七號椅子」シリーズから、曲木椅子に続いて卓子(テーブル)が登場。

現代の生活に合うようにリファインした曲木椅子は、染色家・柚木沙弥郎とのコラボレーションによるオリジナルファブリック「ダンラン」を採用。今回はこれに合わせて、円をモチーフにした卓子をデザインした。直径75cmと小ぶりなサイズで、彫刻的でユニークなフォルムは柚木によるのびやかな図案からインスピレーションを得たそうだ。

▲卓子(BF色)

▲卓子(NY色)

なお、SHINRAは「森と歩む」、クマヒダは「技を磨く」、第七號椅子は「時を継ぐ」、そしてSEOTO-EX100は「人を想う」と、同社が掲げる「4つの価値観」を体現したモデルとなっている。End