NEWS | フード・食
2021.10.22 16:35
サスティナブルでテックベースのレストランで、ユニークで価値のある料理体験を提供するというビジョンのもと、オランダのフードデザイナー Elzelinde van Doleweerdは、斬新なリサーチプロジェクトに取り組んでいる。
そのなかでも注目すべきなのは「形を変える料理」である。同氏がまず取り組んだのは「M1.2」という研究プロジェクト。野菜や果物を3Dプリントし、フードペーパーを折り紙のようにたたんだ料理で、フードペーパーのうえに施されたキトサンが低pHの溶液(レモン汁)と反応して形状の変化を起こすという。
「M2.1」では、変形するフードペーパーの口あたりや反応性の改善を目指して、デンマーク・コペンハーゲンにある世界的なレストラン「Alchemist」らと協力し、調理の際に出る野菜や果物の皮などを使うとともに、複雑な調理プロセスにならないように新しいステンシルを開発。レーザーカッターで折りたたみパターンを施すことで、シートの折りたたみやすさを向上させた。
最新のプロジェクト「M2.2」でもAlchemistと共に研究を行い、変形する食材をレストランのなかで、実際に使いやすい方法を検討。変形がより均等に生じるように、準備プロセスで求められる要素を分析した。
また、食べる人の反応と美食としてのデザイン性にズレがないように、デジタル製造技術を利用しながらシェフの意見を仰ぎ、2種類の料理ができあがった。
Elzelinde van Doleweerdは、デジタル製造技術、化学、そして料理の知識を活かしながら、シェフとコラボレーションすることで、改めて「形を変える料理」の価値を見出したという。今後もコラボレーションを継続しながら、新たな課題に取り組んでいくそうだ。