ヘルツォーク&ド・ムーロンが手がけた
香港の現代視覚文化美術館「M+」ついに開館

▲© Virgile Simon Bertrand 

スイスの建築設計事務所 ヘルツォーク&ド・ムーロンが手がけた香港・西九龍文化区の現代視覚文化美術館「M+」が2021年11月12日(金)にオープンを迎えた。クリエイティブは、デザイン会社TFP Farrellsが担当し、Arupが建設を手がけた。

▲© Kevin Mak

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20世紀と21世紀のアート、デザイン、建築、映像を網羅する美術館で、従来のホワイトキューブだけでなく、フレキシブルなスペースや上映室、多目的施設、サードスペース、さらには「インダストリアルスペース」まで、さまざまなスペースや展示方法、アクティビティを提供する。

この地区はもともと港の一部で、20年ほど前に埋め立てられた場所である。地下には鉄道のトンネルがあり、この特徴を活かして、アートとデザイン、インスタレーションとパフォーマンスのための大規模な展示空間が生まれた。

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その上にある水平に伸びる建物には通常の展示スペースがある。すべての展示室はグリッド状に配置されており、中央広場から直接アクセスすることができ、特別展示室やアンカールーム、天井の高い「フォーカスギャラリー」などがあるほか、天窓のあるギャラリーやルーフテラスにアクセスできる中庭、西九龍公園に面したガラス張りの部屋やビクトリアハーバーに面したオーディトリアムなども設置された。

▲© Kevin Mak

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「ファウンドスペース」と階上の展示棟のあいだにあるのは、屋根のある広々としたエントランスエリア。すべての側とフロアから入ることができる、明るくて居心地の良いプラットフォームを形成している。

▲© Kevin Mak

一方、細長く垂直に伸びる棟は逆さまになったT字型になっており、研究施設やアーティスト・イン・レジデンス用のスタジオ、キュレーターセンターとなる。中には自然光が差し込み、そこから見える広大な街の景色は研究・学習・制作にすばらしい体験を提供。最上階にはメンバーラウンジとパノラマビューのレストランがある。

▲© Kevin Mak

また、ルーバーに組み込まれたLED照明システムにより、ファサード自体がアートワークの超大型ディスプレイとして機能する。香港の新たなシンボルとなる建物になるだろう。End

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