伸ばすと色が変化する弾性材料
Benjamin Millerによる「Morpho」

先ごろ開催された「James Dyson Award 2021」では、米マサチューセッツ工科大学のBenjamin Millerが開発した、蝶の羽に見られるナノ構造をヒントに、伸ばすと色が変わる弾性材料「Morpho」が国際TOP20を受賞した。

米国の人口の1~3%にあるとされる、一般に脚部に生じる慢性創傷である「静脈性潰瘍」の治療という課題を解決するために開発されたこの「Morpho」。主な治療法は圧迫療法とされ、適切な圧力をかけたときだけ治療効果がみられるため、医療従事者にとってはその見極めが難しいようだ。

そこで、「Morpho」は変形させると構造の形状が変化して、反射する光の色が変化することから、伸ばすと色が変わる包帯を作り、かかった圧力を色で識別させることで、治療を大幅に簡素化できるようになるという。

さらに、さまざまな強さや色、パターンがカスタマイズできたり、洗浄可能で耐久性があったりするだけでなく、大規模かつ低コストで製造できるとしている。

今後、運動選手のパフォーマンスを視覚化できるスポーツウェアや、周囲との相互作用がよりよくできる次世代のロボットハンドなど、さまざまなユースケースを見込んでいる。End