モバイル状態での音楽のリスニングスタイルとしては、アップルのエアポッズに代表される完全ワイヤレスタイプのイヤフォンがすっかり市民権を得たように感じる。しかし、イヤフォン本体の進化と比べて、それを収納して持ち運ぶためのケースのデザインはある種の定番的なものに落ち着いており、蓋を開けることでスマートフォンとペアリングされたり、本体への充電機能を備えて利用時間を延ばすようになって以降、革新的なアイデアが投入されることはなかった。

以前から、自社開発のイヤフォン製品によってレッドドットアワードやiFデザインアワードを獲得してきたヨビボは、改めてワイヤレスイヤフォンのユーザービリティをケースを含めたかたちで見直し、「X-Boat Pro（Xボート・プロ）」（199ドル）を開発した。

イヤフォン本体をスティック状ケースの両端に格納する製品は過去にも存在したが、Xボート・プロはそれを発展させ、薄い開放型ケースにマグネット吸着で固定されるイヤフォンを指先によるスライドで脱着できる仕組みを考案。例えば、片手にバッグなどを持っていても、ケースごとポケットなどから取り出し、そのまま耳元でスライドさせて装着するワンハンドオペレーションが可能となった。

ケース自体も、切削加工されたアルミ合金とアンチグレア処理が施されたガラス素材を組み合わせて、他にないフォルムを実現。機能的にも、アクティブ・ノイズ・キャンセル機能や13mmの大径ドライバ、ソニーの音声圧縮コーデックLDACを採用してブルートゥース接続でも高音質を実現。さらに、本体のみで最大5時間、ケースによる充電併用で最大40時間の音楽再生が可能とし、IPX4相当の防水・防塵能力を備えるなど、高品位イヤフォンとしての基本も押さえられている。