山梨の市川大門・西嶋から
和紙の新ブランド「甲州和紙」が発足

山梨県西八代郡市川三郷町、市川大門・西嶋の和紙関係企業は、2022年より、市川大門・西嶋を含む和紙ブランドの総称として、新たに「甲州和紙」という名称を掲げたことを発表した。

金長特殊製紙一秀製紙工場山一和紙工業山叶製紙山十製紙、宮本重男(手漉和紙職人)の6社は、東京・日本橋の小津ギャラリーにて2022年1月15日(土)まで新ブランドのローンチイベントを開催している。

今回新たに和紙の新ブランドとして「甲州和紙」の名前を掲げるのは、市川和紙と西嶋和紙の2ブランド。同町を中心とする甲斐の和紙の歴史は奈良時代から始まるとされ、市川大門の和紙は中世末以降、武田家の御用紙としてその保護のもと発展してきたという。

▲山梨の和紙の歴史は古くは奈良時代にさかのぼる

▲山梨県の和紙の里は、市川三郷町を中心とする市川和紙と西嶋和紙がある

▲書道用の和紙・画仙紙などが主な生産品の西嶋和紙

また、市川大門は現在でも日本一の障子紙の生産地とされ、西嶋和紙は長らく書道用の半紙や画仙紙を特徴として発展してきた。ただ、西嶋和紙は、書道用の半紙に特化した結果、書道人口の減少とともに生産数も減少。とはいえ、美濃和紙・土佐和紙・越前和紙の日本三大和紙産地ほどの知名度がないため、新しい取り組みが必要なのだそうだ。

イベントでは「甲州和紙」の認知を目指しながら、様々な製品づくりへのチャレンジを通して、産地の各企業は新たな「甲州和紙らしさ」を模索するとしている。End

甲州和紙展

会期
2022年1月10日(月)~1月15日(土)
11日~14日 10:00~18:00、15日 10:00~16:00
会場
小津ギャラリー
詳細
https://www.ozuwashi.net/gallery.html