英ケンブリッジ大学図書館で
「サムライ」の歴史を紐解く展覧会が開催

イギリスのケンブリッジ大学図書館は、展覧会「Samurai: History and Legend」を2022年1月22日(土)から5月28日(土)まで開催している。

「サムライ」といえばおなじみの日本のイメージだが、歴史上の人物でもあり、伝説的存在とも言えるだろう。同展では、12世紀から19世紀にかけて、こうした侍が物語の中でどのように描かれてきたかや、武士の文化の変遷を紐解くという。

13世紀から16世紀までの中世は、勇敢な武士が活躍した時代である。その一方で、17世紀から19世紀半ばまでの江戸時代には、長きにわたる平和の中で武士階級が確立することになった。そして、今日のよく知られた武士のイメージは、歴史や平和な時代の活気に満ちた大衆文化の中で形づくられた。

そこで同展は、古い武士文化の記録や再解釈を通じて、日本の内外で揺れ動く武士の歴史と神話を改めて見つめ直すそうだ。また、800年前の美しい法華経の巻物や木版画、読物、双六など、ケンブリッジ大学図書館の豊富なコレクションも見どころのひとつだ。

同展の責任者であるChris Burgess博士は、「日本が1870年代に軍隊の近代化を始めると、侍は時代遅れになりました。しかし、本や版画が流通すると伝説は海外にまで広がり、かつてないほど大きくなりました。そして、数世紀にわたるその複雑な歴史は、今日私たちがよく知る侍のイメージへと変わったのです。この展覧会では、優れた本や写本、品々など私たちのコレクションを通して、サムライとはどのような存在かを明らかにしたいと思います」と語っている。End