ドイツのアートデュオが手がけた
韓国のパブリックアート「SpaceWalk」

▲Photo:Mutter/Genth

韓国・浦項市(ポハン)に2021年11月、新しい野外アート作品が誕生した。「SpaceWalk」と題されたこの作品は、ドイツ・ハンブルクのアートデュオ Heike MutterとUlrich Genthが手がけたものである。

ポハンに本社を置く韓国最大の鉄鋼メーカー・POSCOが同市に寄贈した常設のインスタレーションで、韓国でもっとも大きい現代パブリックアート作品だという。

▲Photo:Mutter/Genth

▲Photo:Mutter/Genth

▲Photo:Mutter/Genth

輝くようなシルバーの作品は、海岸沿いのファンホ公園の丘にあり、広さは60 x 57m、全長は333mを誇る。亜鉛メッキ鋼とステンレス鋼ででできており、誰でも渡れるようになっていて、最大で一度に250人が通行できるそうだ。

中央の階段から上ると2つの方向に分かれるそうで、一方は緩やかに登っている。そこを通ると、丘の頂上から20mの高さにある地点にたどり着く。訪れた人はここから迎日(ヨンイル)湾やポハン市内の絶景を楽しむことができる。

▲Photo:Mutter/Genth

▲Photo:Mutter/Genth

▲Photo:Mutter/Genth

もう一方に行くと、ほとんど円形をしたらせん状の通路になっていて、勾配は少しきつくなる。また、どちらを通っても、中央にはジェットコースターのように縦方向にループした道があり、通れなくなってしまう。もちろん、歩いて渡るので、ジェットコースターのスピード感とは違った体験ができるだろう。

また、手すりや通路には白色のLEDライトが設置されており、地上から見上げると夜空に光の描線が浮かんでいるように見える。

▲Photo:Mutter/Genth

▲Photo:Mutter/Genth

タイトルの「SpaceWalk」は宇宙ミッションに由来する。無重力状態の宇宙空間で行う「船外活動」を意味する言葉だが、訪れた人はまさに「宇宙を歩く」ような感覚を覚えるかもしれない。End