日本科学未来館の新展示
「セカイは微生物に満ちている」

東京都江東区の日本科学未来館では、3階常設展示ゾーン「未来をつくる」内の「ビジョナリーラボ」に、多様な微生物との共生のありかたを考える新展示「セカイは微生物に満ちている」がオープンする。公開時期は2022年4月から約1年間の予定となっている。

私たちのまわりには細菌や菌類、ウイルス、原生動物など、目に見えないたくさんの微生物が存在する。それらは絶妙なバランスを保ちながら独自の生態系を作り出している。しかし、私たちが清潔さを追い求める一方で、これまで長い時間をかけてバランスを探ってきた私たちと微生物との関係も変化し、健康や生活への影響も指摘されるようになっている。

そこで同展示では、微生物たちとの共生関係を再構築し、多様な微生物と共に暮らすことで健康な社会を実現することを目指して、微生物多様性を高める都市デザイン事業に取り組むBIOTAの代表・伊藤光平を監修者に招へい。身のまわりの微生物に目を向け、微生物の多様性の低下やそのリスクについて、さらには微生物と人間が豊かに共生する未来の暮らしについて考える展示になるという。

展示空間の中央には実寸大の居住空間と庭園を設置し、住空間での微生物を可視化する。また、ドミニク・チェンをはじめとするFERMENT MEDIA RESEARCHによるぬか床ロボット「Nukabot」や、Mikiko Kamadaの微生物が植物を分解する様子をモチーフとしたアート作品など、伊藤が提案する微生物との共生社会の可能性を提示するそうだ。

伊藤は、「私たちの生活環境には、多くの微生物たちも暮らしています。微生物たちは目に見えないため見過ごされがちですが、彼らがもたらす影響は良し悪しに関わらずとても大きいものです。一人でも多くの人と、多様な微生物の生態系に触れ、彼らと共に暮らしているという実感を共有し、一緒に新しい社会のありかたを考えるきっかけになることを願っています」とのコメントを寄せている。End

▲ビジョナリー(監修者):伊藤光平(BIOTA)