建築とデザインと書籍編集を手がけるOpa Pressは、書籍「黒川紀章のカプセル建築」（鈴木敏彦＝文、山田新治郎＝写真）を2022年4月5日（火）に登場した。

同書は、日本を代表する建築家・思想家である黒川紀章（1934～2007）がデザインした「カプセル建築」を紹介するもの。最近では、1972年に竣工した「中銀カプセルタワービル」の解体とカプセルの再利用が決まり、注目を集めたが、同氏のカプセル建築はこれにとどまらない。

著者である工学院大学教授で建築家の鈴木敏彦は、1984～1990年に黒川紀章建築都市設計事務所に在籍し、1969年のカプセル宣言の研究や、歴代のカプセル建築の整理を行ってきた。

そして、元所員で当時の設計担当者である阿部暢夫と茂木愛子に再会し、各建築についてインタビューを実施。さらに、カプセルの再利用と今後の展開について、中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクト代表の前田達之へのインタビューを収録した。

また、ノマド的ライフスタイルを50年前に予言していた黒川の知られざる素顔や、カプセルホテルとして世界に普及していった経緯、イタリア・ミラノ工科大学の提案するカプセルタワーの再活用なども紹介する。

撮りおろしオールカラー写真集で、鈴木の「本も建築だ」という意図から丸窓のあるブックデザインが実現。日英併記で編集したカプセル建築の決定版と言える一冊となっている。