日常の美しさを切り取るメガネ
心的テンプレートを活用した「SHUTTER Glass」

クリエイティブ集団のKonel(コネル)と知財図鑑NEC大阪大学大学院医学系研究科MaiND Lab(マインドラボ)は、心的テンプレートを活用したメガネ「SHUTTER Glass」を共同研究し、試作開発したことを発表した。

いわゆる「デジタル洪水」と言われるように、現代の私たちが日々接する情報は膨大である。そのため、今後は日常の中に存在する「美しい現象」に目を止めることがより難しくなっていくとされる。

そこで「SHUTTER Glass」では、日常の美しさを切り取ってくれるメガネドライブレコーダーのように、人の視界がすべて記録される未来においてAIが「美しい」と判定するカットにフラグを立て、身近にある自然の美しさや他者の行動に気づき、身の回りの変化に自分で気づくためのきっかけを提供するという。

そのコンセプトは「見過ごす『美』にしおりをはさむメガネ」。人は、理想的な美や好み等の感性について、こころの中に具体的な視覚イメージを持っているそうだ。 こうした個人ごとの感性イメージを、大阪大学大学院医学系研究科 内藤智之講師は、脳科学・心理学の知見と最新のAI技術を組み合わせた独自アルゴリズムにより、「心的テンプレート」として画像化・数値化する技術の開発に成功した。

今回は、その人が美しいと推察される花を提示するデモンストレーションを実装。この心的テンプレートを用いることで、個人にとっての理想的な抽象画やインテリアデザインの作成や、過去の購買履歴に依存しないレコメンドエンジンの開発など、さまざまな形で応用することが可能だとしている。End