60年におよぶ画業をたどる 大規模展覧会
「ゲルハルト・リヒター展」が開幕

▲ゲルハルト・リヒター《アブストラクト・ペインティング(CR: 952-2)》 2017年 ゲルハルト・リヒター財団蔵 油彩、キャンバス 200×200cm © Gerhard Richter 2022 (07062022)

東京都千代田区の東京国立近代美術館では、ドイツ生まれの現代アートの巨匠 ゲルハルト・リヒター(Gerhard Richter)の個展「ゲルハルト・リヒター展」が2022年6月7日(火)に開幕した。会期は10月2日(日)まで。

リヒターはこれまで、油彩画、写真、デジタルプリント、ガラス、鏡など多岐にわたる素材を用い、具象表現や抽象表現を行き来しながら、人がものを見て認識する原理自体を表すことに一貫して取り組んできた。

▲ゲルハルト・リヒター《8枚のガラス(CR: 928)》 2012年 ワコウ・ワークス・オブ・アート蔵
8枚のアンテリオ・ガラス、スチール 230×160×350cm 
Photo: Takahiro Igarashi
© Gerhard Richter 2022 (07062022)

そして、リヒターが90歳を迎えた今年、日本では16年ぶり、東京では初となる美術館での個展を開催。同氏が手元に置いてきた初期作や最新のドローイングを含む約122点を通じて、一貫しつつも多岐にわたる60年の画業を紐解いている。

▲ゲルハルト・リヒター《頭蓋骨(CR: 548-1)》 1983年 ゲルハルト・リヒター財団蔵
油彩、キャンバス 55×50cm
© Gerhard Richter 2022 (07062022)

▲ゲルハルト・リヒター《エラ(CR: 903-1)》 2007年 作家蔵
油彩、キャンバス 40×31cm
© Gerhard Richter 2022 (07062022)

注目の作品は、「ビルケナウ」。ホロコーストが主題で、作家自身にとっても重要な位置を占める作品だという。近年の重要作品とされ、日本では初公開、出品作品のうちで最大級の絵画作品でもある。

▲ゲルハルト・リヒター《ビルケナウ(左から CR: 937-1, 937-2, 937-3, 937-4)》 2014年 ゲルハルト・リヒター財団蔵 油彩、キャンバス 各260×200cm
© Gerhard Richter 2022 (07062022)

また、会場では、初期のフォト・ペインティングからカラーチャート、グレイ・ペインティング、アブストラクト・ペインティング、オイル・オン・フォト、最新作のドローイングまで、リヒターがこれまで取り組んできた多種多様な作品を紹介。

▲ゲルハルト・リヒター《2021年6月1日》 2021年 作家蔵
グラファイト、紙 21×29.7cm
© Gerhard Richter 2022 (07062022)

▲ゲルハルト・リヒター《2021年8月17日》 2021年 作家蔵
グラファイト、紙 21×29.7cm
© Gerhard Richter 2022 (07062022)

特定の鑑賞順に縛られずに、来場者が自由にそれぞれのシリーズを往還しながら、リヒターの作品を楽しむことができるだろう。End

▲Photo: Dietmar Elger, courtesy of the Gerhard Richter Archive Dresden
© Gerhard Richter 2022 (07062022)

ゲルハルト・リヒター展

会期
2022年6月7日(火)~10月2日(日)
休館日
月曜日[ただし9月19日、9月26日は開館]、9月27日(火)
開館時間
10:00-17:00(金・土曜は10:00-20:00)※入館は閉館30分前まで
※ただし、9月25日(日)~10月1日(土)は10:00-20:00で開館。
会場
東京国立近代美術館 1F企画展ギャラリー
詳細
https://richter.exhibit.jp/