脚に装着して歩行困難な人をサポートする
バイオニックウェア「Cionic Neural Sleeve™」

▲Cionic Neural Sleeve™ (Photo: Business Wire)

さまざまな疾病によって歩行が困難な人は、装具や歩行器具、車いすなどを使って移動することが多いだろう。しかし、スムーズな移動にはいろんな課題があるにちがいない。そこで、こうした器具を使わずに歩行をサポートするバイオニックウェアがこのほどアメリカで発表された。

サンフランシスコの企業 Cionicが開発した「Cionic Neural Sleeve™」は、脚に装着するだけの軽量のウェアである。多発性硬化症、脳卒中、脳性まひ、脊髄損傷などにより、下垂足や脚の筋力低下といった症状がある人の脚に電気的な刺激を与えて、患者の歩行を支援するものだ。

このウェアはユーザーの動きをセンサーで分析・予測・補強するそうで、先進のアルゴリズムを使用して、脳から筋肉に送られた信号を読み取り、このデータをリアルタイムで分析。1/10秒前にユーザーの動きを予測して、最適な筋肉の運動パターンを決定し、脚を地面から持ち上げるという。

さらに、脚に電気的な刺激を与えることで、適切な筋肉を活性化させ、一連の自然な動きを提供するそうだ。

また、ランニングウェアのような目立たないデザインで、脚にフィットするソフトで柔軟な生地を採用。好みに合わせてさまざまなカラーを用意する。

FDA(アメリカ食品医薬品局)の認証も受け、2022年後半には市販される見通し。開発試験に参加した患者は、「Neural Sleeveを身に着けることで、これまで以上になめらかに自然に動くことができます。よりすばやくスムーズに歩けますし、体力の消費も少ないです」と語っている。End