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2022.09.20 11:55
航空機インテリアデザインなどを手がける、東京とシンガポールに拠点を置くデザイン会社 LIFT Aero Design(リフト・エアロ・デザイン)は、超長距離フライト向けに快適性を高めた航空機のシートコンセプト「PARADYM」を発表した。
日本出発の長距離フライトでは、乗り継ぎなしで15~16時間も飛行することが多い。航空運賃も上昇するなか、旅行に出かけるか家で過ごすかの判断はウェルネスがこれまでになく重要な基準になっているという。
そこで考案した「PARADYM」は、上級のエコノミークラスまたはプレミアムエコノミークラス向けの超ワイド型の座席が特徴で、ゆったりとした3席には、他の乗客と共有しないように、乗客の間に1つではなく2つのアームレストが用意されている。
このアームレストは背もたれにしまうことができる。「エコノミーフラット」と呼ばれるシートは、膝を曲げずに眠ることができる全長185cmのベッドにもなる。座席の先端部分は上部に上げられるので、座席の奥行きはさらに広くなり、より快適な睡眠環境が体験できる。
また、ヘッドレストは上下に調整が可能。しっかりとサポートするとともに、両サイドに張り出しているので、プライバシーも確保してくれる。航空会社ごとに仕上げのカスタマイズもできるようだ。
ワイド型の3席は、「3席-ワイド型3席-3席」というふうに、従来のエコノミークラスの中央の3列と置き換えが可能。ワイド型の3席と2席があるので、「3-3-2」や「2-3-2」といった配置もできる。これにより、航空会社は、クラスではなく座席で価格差をつけたり、同じクラス内でアップグレードしたりできるとしている。
同社はPARADYMにおいて、「長距離を飛んでいる航空会社のサバイバルと繋がるシートは何なのか」を考え、今まで見たことがないフレクシビリティーを目指した。単なるプロダクトデザインではなく、世界やさまざまな業界で起きていることを見て全方向で考えた、「Innovation with simplicity」を実現するコンセプトだと語っている。