ソニー、独自におい制御技術「Tensor Valve™」を開発
研究・企業向けに「におい提示装置」を発売

ソニーは、においの素である「嗅素」を手軽に制御できるテクノロジー「Tensor Valve™(テンソルバルブ)」を独自開発したことを発表した。また、同技術を搭載し、「におい」に関連した研究や測定を行うためのにおい提示装置「NOS-DX1000」を2023年春に発売する。

同機は、タブレット上でにおいを選択するだけで、においをすぐに同じ設定条件で提示するもの。手先が嗅素で汚れたり、操作時に別の嗅素が混ざることも抑えられるので、毎回の煩わしい準備や片付けが不要になるという。

さらに、鼻からの距離やにおいが提示される時間を一定にすることで、手で提示するより正確で安定してにおいを提示できるようになり、測定者が代わってもデータの比較検討がしやすくなる。

強いにおいの嗅素でも、Tensor Valveテクノロジーを使ったカートリッジ構造などにより密閉を実現。本体には気流制御を行う脱臭機構が内蔵されており、提示されたにおいを速やかに除去して汚染をコントロールするなど、脱臭装置や専用の部屋を必要としない手軽さが特徴である。

▲アクチュエータ駆動でバルブが開き、流路を通過してにおいが届く

また、専用のアプリケーションを使えば、におい提示の結果を簡単に記録し、その結果をアプリケーション上で比較して表示・分析できる。測定データはWi-Fiや二次元コード、USBなどで転送でき、Bluetoothプリンターを用いて感熱紙へ出力することも可能だ。

▲タブレット上での操作でにおいを選択、被験者に提示

▲専用アプリケーション上のUIの事例 嗅覚測定時(左)と測定結果(右)

ソニーは同機について、医療機関や研究機関、自治体などにおいて、嗅覚測定や嗅覚トレーニング、においサンプルの確認や検証など、においにまつわる研究や測定向けに展開するとしている。End