香港で今秋開催されるアートイベントを紹介
M+では新作を含む草間彌生の回顧展も開催

▲Digital renderings of TICK TOCK, TICK TOCK

香港ではこの秋、さまざまなアートと文化のプログラムが開催される。西九龍文化地区にあるヴィジュアル・カルチャー美術館「M+」では、開館1周年を記念して、「Yayoi Kusama: 1945 to Now」が2022年11月12日(土)から2023年5月13日(土)まで開催される。

▲草間彌生
Photo: Yusuke Miyazaki
Courtesy of Ota Fine Arts, Victoria Miro, and David Zwirner
© YAYOI KUSAMA

草間彌生の回顧展としては日本以外でアジア最大のもので、70年を超えるキャリアを振り返り、作品の核となる美的要素や、繰り返し投げかけられる哲学的な問いにフォーカスする。世界各地の美術館や個人コレクションの主要作品、M+ Collection、作家自身のコレクションから200点以上の作品が展示され、新作3点も公開される。

そのほか、尖沙咀(チムサアチョイ)ランドマークである時計台の横では、大規模なパブリックアート展「TICK TOCK, TICK TOCK」が2022年11月17日(木)から12月中旬まで開催。アメリカ人アーティストWhIsBeの最大のアート作品となる、高さ8mを超える赤い巨大グミベアが登場する。

▲Digital renderings of TICK TOCK, TICK TOCK

韓国の没入型メディアアート展示館「アルテミュージアム」初の海外拠点となる期間限定展示「ARTE M」が、K11 ATELIER King’s RoadのHK11 HACCにて2023年12月まで開催中だ。制作は韓国のデジタルデザイン会社d’strictで、「永遠の自然(Eternal Nature)」をコンセプトに、6つのメディアアート作品が楽しめる。

▲Jungle: Tropic
© D’strict

▲Beach: Aurora
© D’strict

香港故宮文化博物館では、リヒテンシュタイン侯爵家コレクションから120点以上の貴重な宝物を香港で初めて公開する、「Odysseys of Art: Masterpieces Collected by the Princes of Liechtenstein」展が2022年11月9日(水)から2023年2月20日(月)まで行われる。

▲リヒテンシュタイン侯カール1世の紋章入りチェスト
Ottavio Miseroni (イタリア、1567-1624年)
プラハのカストルッチ工房 1620-1623年頃
© LIECHTENSTEIN. The Princely Collections, Vaduz– Vienna

▲レドニツェ(Eisgrub)の中国のパビリオン (再整備後)
Willibald Schulmeister (ドイツ、1567-1624年)
1877年 水彩画
© LIECHTENSTEIN. The Princely Collections, Vaduz– Vienna

また、西九龍文化地区のカルチャープラザでは、クロード・モネの世界を体験できる360度の音と光のショー「En Voyage with Claude Monet」が2022年10月27日(木)から2023年1月15日(日)まで公開。ベルギーのクリエイティブスタジオ Dirty MonitorChillHoYeahによるキュレーションで、36分間かけて約200点のモネの傑作をたどるそうだ。

▲En Voyage with Claude Monet
© Dirty Monitor

世界的なアート施設が次々と建設されるなど、香港は世界におけるアートやカルチャーシーンでの存在感を高めており、新たな体験を楽しむことができるだろう。End