tupera tuperaの絵本の世界観を落とし込んだ
城崎温泉・錦水旅館の客室「白群」

▲リビングルーム

兵庫県豊岡市の城崎温泉にある錦水旅館では、ファミリー向けの客室「白群(びゃくぐん)」が2021年8月にリニューアルオープンした。空間デザインをワサビが手がけ、アートディレクションをtupera tuperaが担当した客室である。

同旅館は、木造3階建の本館の中に3つの貸切風呂がある宿。今回、子供連れでも客室内でゆったりと時間を過ごせるようにと「白群」をリニューアル。地域特性を可視化し、大人から子どもまで楽しめる特別な宿泊体験を提供するプロジェクトで、デザインアワード「日本空間デザイン賞2022」では入賞している。

絵本などの創作活動を行うtupera tuperaが、城崎の魅力をぎゅっと盛り込んだ絵本「城崎ユノマトぺ」をモチーフとし、ぐるりと回遊できる大小3つの客室空間に絵本の世界観が楽しめる仕掛けをふんだんに詰め込んだ。

▲『城崎ユノマトペ』 の表紙をそのまま扉に。絵本の表紙を開くように部屋のなかへ。

▲トンネルを抜けた先に仕掛けがある

▲城崎に流れる川をイメージした空間

広々としたリビングルームにはバーカウンターを設置し、「城崎ユノマトペ」をはじめ、tupera tuperaによる絵本を手に取って読みながら、家族そろって憩いの時間を過ごすことができる。

さらに、「のぼる・おりる」「かくれる・さがす・みつける」「すきま」という要素を取り入れ、行き止まりのない回遊空間を実現。ビジュアルと機能、体感が渾然一体となった、たくさんの笑顔がこぼれる空間ができあがった。End

▲温泉をイメージした空間で寝室としても使用可能

▲温泉街の中心を流れる大谷川と石垣をイメージしたカラーリングのベンチ

▲ダウンライトには城崎温泉に欠かせない下駄が。下駄で外湯をめぐるような遊び心のあるデザイン

▲今回の部屋のために描き下ろした原画を間近で見ることができる

▲寝室には飛翔するコウノトリが描かれたシーリングライト