米ニューヨーク発のファッションブランド ALUMNIはこのほど、中国では初めてとなるショップを成都でオープンした。かつて兵器工場があったエリアを再開発した公園内にあり、北京を拠点にする建築デザインオフィス FON STUDIO（未来以北工作室）が店舗設計を手がけた。

成都の人々は非常に購買欲が高いそうだが、従来のショップの雰囲気をもつだけでなく、さまざまな可能性を秘めたオープンな接客スペースとなるように、控えめなデザイン言語を使いながら、古いものと新しいものの融合を実験する場を目指したという。

建物は古い産業の趣があり、親密さを感じさせるスペースや錆びた鉄骨フレームのファサード、整然と並んだ木造の屋根構造など、すべてに時間の痕跡が残されている。これを活かしながら、アメリカのブランドとして現地のファッションカルチャーを提供して、友達どうしで楽しい会話が弾むようなスペースとした。

エントランスには既存の錆びた鉄の板があり、これをありのまま取り入れて、シンプルなブロックを使用してゲストを店内へと誘導。全体の空間は3つのパートに分かれていて、それぞれの雰囲気を保ちながら機能的につなげている。メインとなるスペースにはひな壇のようなモジュール式のディスプレイを設け、空間を仕切る基本要素とした。

キャンパスの観覧席を思わせるこのディスプレイの素材には、インダストリアルな金属製のフレームと温かみのあるバーチ材を使用し、リラックスできるフォルムのデザインを実現。

これらのモジュールはアイテムの販売だけでなく、組み合わせ次第で上映会やパフォーマンス、展覧会など、さまざまなイベントに対応できるそうで、使い勝手のよいシステムとなっている。