Foster + Partnersが手がけた北京のApple Store
初のトラス構造「Special Truss Moment Frame」を採用

中国・北京の三里屯(Sanlitun)地区に、Foster + Partnersが店舗設計を手がけた「Apple Sanlitun」がオープンした。

この活気ある都会の街に中国で初めてのApple Storeがオープンしたのは2008年で、今回は隣接したより目立つ場所に移転。店舗前にある大きな広場が、周囲の歩行者道路との新しい対話を生み出すとともに、この地区の社会的な結節点にもなることを目指した。

建物の外装は、このエリアにあふれるエネルギーを採り込めるように、四方向すべてに開いて多層的に循環する経路とつながる多孔性のあるものとし、店内ディスプレイに自然光が降り注ぐように、中央の広場に面した正面のファサードはガラス張りとした。

店の両脇にある2つの大きな石造りの階段は、階上の「Genius Grove」と呼ばれるエリアに通じており、裏手のガラス張りのファサードには木々を植えることで、店内に光を採り入れながら、店舗の内側と外側の境界をぼやかしている。

一方、2階にあるスペース「The Forum」にはレザーベンチシートを設置して、眼下に広がるにぎやかな広場の光景を楽しむことができる。

大きく張り出した屋根は、激しい雨や夏の日差しを避けることができ、屋上には390平米の太陽光パネルを取り付けて、店舗で消費するエネルギーを供給。さらに、特注の一体型天井システムにより、換気・冷房・防火設備・照明設備がシームレスに収容されているという。

また、建物には、「Special Truss Moment Frame」と呼ばれるトラス構造を中国で初めて採用。柱のない広々とした内部空間でありながら、地震の力を効果的に抑える設計で、同調質量ダンパー(Tuned Mass Dampers)により片持ち梁の上階の振れを低減、座屈拘束ブレースフレーム(Buckling Restrained Braced Frames)は、既存の地下フロアの構造が受ける衝撃を最小限に抑えるそうだ。End