OMAがアムステルダムで手がける
サーキュラーエコノミーのための学校施設

Photos by Arthur Wong

アムステルダムでは持続化可能な街づくりを行うために「サーキュラーエコノミー2020-2025戦略」が進められている。2030年までに一次原材料の使用を半減させ、2050年までに完全なサーキュラーエコノミーを実現することを目標としており、その達成に向けてさまざまなプロジェクトを展開中だ。

そのひとつが「Innovation Partnership School Buildings」である。このプロジェクトでは、アムステルダムで増加する学校建設のために「高品質、フレキシブル、持続可能」な校舎を10年間のうちに9〜30校ほど建てることを目指している。

設計を担当するのは、オランダを拠点に木材やバイオベースの資材を使い持続可能な建築を行うcirclewood。建築設計事務所 OMAをクリエイティブディレクターおよびデザイナーに迎え、多様なニーズに合わせて校舎の建て替えが容易にできる木造モジュールシステムを開発した。

同システムは、プレハブ式の建築ユニット(W7.2 ×D3.6m)をすべて工場にてデジタル加工することで、現場で電動クレーンを使ってすばやく組み立てと分解ができるというもの。3階建てまでの建設が可能で一般的な教室や事務所から講堂や体育館、庭園や陸上トラックまでさまざまな規模や用途のスペースを設けることができる。

建物は循環型設計を採用しており、プレハブ式にすることで窒素排出量を従来の建物と比べて80%ほど削減。使用期限が来れば解体し、部材を再利用してオフィスや住宅など別のタイプの建物にも転用できる。

このシステムは国外でも展開可能としており、OMAとCirclewoodは今後もさらなる研究・開発を続けていく方針だ。End