深澤直人が手がけた「テルモ 100周年記念体温計」

1921年創業の医療機器メーカー テルモが100周年を記念して発売した体温計「S100」は、同社の原点である水銀体温計をイメージしたデジタル体温計である。

プロダクトデザイナーの深澤直人がデザインを手がけた同製品は「シンプルで優しい」がコンセプト。懐かしさを感じさせる水銀体温計の造形に最新のテクノロジーが融合した、⽇常⽣活に⼼地よく溶け込むデザインとなっている。

ディスプレイは、暗い場所でも見やすいLED表示を採用し、2段階の明るさと体温値の表示色(緑または赤)の変更が可能。測定完了は、周りの音が大きくてもわかるように振動で通知してくれる。

さらに、体温計本体にはBluetooth通信機能を搭載。スマートフォンの専用アプリに送られた測定データにより、一覧やグラフによる体温の推移の確認や家族間での測定値の記録の共有といった日々の健康管理が手軽に行える。

深澤は「S100は電子回路も、バッテリーも、そして表示部でさえも。いまの体温計に必要なすべての要素をひとつのかたまりで包み込んだプロダクトです。細く引き伸ばされた中空のガラス、その中に封じ込められた表示体と体温計の原点として造形を現代のテクノロジーで実現したものこそが、100年にわたって医療の発展に大きく貢献してきたテルモを体現するにふさわしいデザインであると考えました」とデザインに込めた想いを語っている。End