2023年度「東京ビジネスデザインアワード」
デザイン提案を募集中

2023TBDA

東京都内の中小企業活性化策として東京都が主催し、公益財団法人日本デザイン振興会が企画・運営を行う「2023年度 東京ビジネスデザインアワード(TBDA)」は、デザイナーからの提案応募の受付を開始。募集期間は2023年9月5日(火)から10月30日(月)14時まで。

今年度で12回目となるTBDAは、都内の中小企業がもつ独自の技術や素材を「テーマ」とし、デザイナーからテーマを活用した新しい用途開発やビジネス全体のデザイン提案を募集する、企業参加型のデザイン・事業提案コンペティションである。

今回は幅広い領域の企業から全11件のテーマが選出され、これらに対するデザイン提案を募集している。テーマとデザイナーの提案マッチングが成立すると、実現化に向けての協働がスタート。プレゼンテーション方式の最終審査を経て、2024年2月に最優秀賞・優秀賞が決定する。

2023年度 東京ビジネスデザインアワード テーマ概要

テーマ「細い繊維径の不織布」
タピルス株式会社(港区)

メルトブロー不織布は溶けた(メルト)樹脂をネットに吹き付けて(ブロー)、糸を作る工程を経ることなく不織布を製造する方法。この製法は他の不織布製法と比較して細い繊維径の不織布が得られること、また、接着剤などを使用しないことが特徴。不織布の繊維径が細いと小さな粒子を捕捉することができ、接着剤を使用していないのでフィルターや衛生材料等に使われている。

テーマ「デジタル印刷を活用した段ボール資材への加工技術」
株式会社志村製函所(板橋区)

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段ボールのシート製造から製函、配送までワンストップで行えるメーカー。各種加工機械を所持し、それを扱う熟練の技術によりさまざまな加工が可能。段ボール素材に直接フルカラー印刷ができるデジタルプリンターを導入、今まで段ボール印刷では再現不可能とされていた色彩の表現ができ、より鮮やかで深みのある印刷が可能となる。デジタル技術と職人の段ボール加工技術を組み合わせ、新たな可能性を作り出す提案を期待している。

テーマ「試作から最終製品までを1台で任せられるハイエンド3Dプリンター」
株式会社アスペクト(稲城市)

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PBF(粉末床溶融結合技術)方式のハイエンド3Dプリンターメーカー。3DプリンターのなかでPBFは生産性が高く、既存技術では成し得ない複雑な形状を再現することが可能。加えてモデリングの変更も最小で済む。国内でこのPBFを用いた製作事例はまだ少なく、注目を集める可能性がある。

テーマ「手作業で美しく溶接する銀ロウ付け技術および金属加工」
株式会社佐藤製作所(目黒区)

創業66年、金属加工+銀ロウ付けを用いて主に医療機器や通信関連部品を製造。他社では対応ができないような、ごく小部品・大型部品・精密部品・特殊な材料などの高難易度のロウ付けも対応。技術において現在も研究・実験に取り組み、社員も半数が20代で、新しいことに積極的にチャレンジしている。

テーマ「独自のゴム配合設計と幅広い加工技術」
株式会社江北ゴム製作所(足立区)

ゴム、ポリマーのまざまな特徴を活かし、耐熱性や耐候性、衝撃吸収性など多くの機能を独自の配合技術で付与することが可能。幅広い種類、加工技術を有し加工方法の提案、材料開発、金型の内製などスピーディーさも強み。当該の材料に限定せず、広くゴムという弾性体を通して商品開発に挑戦したいという意欲を持つ企業。

テーマ「職人技で古美色を再現する硫化燻し加工技術」
株式会社富士産業(葛飾区)

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エイジング加工は、「硫化燻し」または「古美色」といわれるもので、金属素材を用いて経年変化を人工的に促進させる技術。日本では神社仏閣などの建築用鋼材の着色に広く利用されている。近年では加工ができる職人が少なく、歴史ある技術そのもの、魅力を広めるために次世代に伝えていくアイデアを求めている。

テーマ「輝きと手触りを自由自在に表現できるデジタル特殊印刷技術」
株式会社研文社(新宿区)

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RGBに迫る色域をもつデジタル印刷機と、箔やニスを自在に操れるデジタル加飾機のパフォーマンスを最大限に引き出す専門スタッフとが連携することにより、デザインを形にするためのきめ細やかなサポートを行っている。

テーマ「メイド・イン・TOKYOの職人技ソール製造加工・貼り合わせ技術」
株式会社オノザキ(台東区)

1952年創業。靴材料総合商社としてこれまで一貫して靴業界のものづくりを実践。靴を取り巻く高い加工技術をより多くの人に知ってもらうための、メイド・イン・東京の商品、業界の枠を超えて、靴以外の何かでこの技術を活かすなど、自由な提案に期待を寄せている。

テーマ「ワイヤーカット放電加工による微細・精密金属加工技術」
有限会社オクギ製作所(東久留米市)

ワイヤーカット放電加工に特化した企業。この加工技術は水の中で加工するのが一般的だが、同社は油の中で加工を行うことで、より細いワイヤー線を使って微細な加工をすることが可能。微小な加工を正確に行うためには、正確に測る・見る技術が必要であり、測定機器・観測機器の環境も揃っている。

テーマ「社会人を対象としたキャリア支援ノウハウの活用」
Cross-Boundary Project(清瀬市)

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長寿化がもたらす働き方や生き方の変化、地域とのつながりをつくるという社会全体の課題がテーマ。キャリアデザインをしやすくなる仕組みやツールなどを、デザインを用いて解決していく提案やアイデアを募集している。

テーマ「チタンやシリコンの電極を使い対象物に放電処理によるコーティングをする被膜形成技術」
アートビーム有限会社(八王子市)

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放電表面処理による被膜形成技術は、加工油の中で処理を行い、電極と対象物の間に放電を発生させ、溶けた電極が溶けた対象物に移行し被膜を形成する技術。試作品に特化した精密部品の製造を30年以上続け、経験、技術を用いて人の手で高精度、高品質な製品をつくり上げている。

東京ビジネスデザインアワードの特徴

TBDAでは、企業が提供する優れた技術や素材に対し、デザイナーの視点やアイデアをかけ合わせながら、共同で新しい事業化・製品化に取り組む。さらに、各分野の専門家で構成される審査委員会から、商品開発、知財戦略、デザイン契約、販路開拓などについてのアドバイスを随時受けられるのも同アワードの特徴だ。

2012年の開始以来、企業テーマとして採用された中小企業の「技術」「素材」は110件以上。これに対するデザイナーからの提案数は、延べ1,300件以上を数える。これまでに国内外で60万個以上を売り上げた商品をはじめ、20件以上の製品化に成功。現在も複数のプロジェクトが進行しており、デザイン界にも大きな影響をもたらしている。

2023年度の審査委員長を務める山田 遊(バイヤー/メソッド代表取締役)は、「現代のビジネスは複合的でさまざまな要素から成り立っており、戦略的で綿密なデザインが必要とされているにも関わらず、産業化とそれに伴う資本主義の発展とともに、いつの間にか事業とデザインが分化され、あたかもまったく異なる領域として扱われるようになりました」と昨今の状況を分析する。

「今こそ企業とデザイナーが一体となって、ビジネスを共創する機会を提供することで、困難を打破し、変化する時代の先駆けとなるような萌芽を見届ける役割を果たしていきたいと考えています」と、参加者に対する期待を語っている。

2023年度「東京ビジネスデザインアワード」デザイン提案募集概要

募集期間
2023年9月5日(火)~10月30日(月)14:00
応募資格
中小企業との協業に意欲を持つ、国内在住の個人またはグループ
応募費用
無料 ※ただし、通信費や提案の制作に伴う実費等は応募者負担
賞・賞金
最優秀賞(1点)賞金100万円(企業・デザイナーに50万円ずつ)
優秀賞(2点)賞金各20万円(企業・デザイナーに10万円ずつ)
テーマ賞(1テーマにつき1点) ※審査の結果、該当なしとなる場合あり
主催
東京都
企画・運営
公益財団法人日本デザイン振興会
詳細
2023年度「東京ビジネスデザインアワード」デザイン提案募集

公式サイトでは、応募を検討するデザイナーを対象に、応募方法の説明、FAQ集、各テーマ企業によるプレゼンテーション動画を順次公開。9月21日(木)には、応募説明資料の公開や、各テーマ企業担当者との質疑応答、サンプル展示などを行う「コミュニケーションデー」を東京ミッドタウン・カンファレンスにて開催。事務局からの応募説明や過去テーマ賞受賞者とのトークイベントも行われる。End

デザイナー向け・テーマ企業とのコミュニケーションデー

日時
2023年9月21日(木) 17:30~19:30
会場
東京ミッドタウン・カンファレンス
(東京都港区赤坂9-7-1 ミッドタウン・タワー4階)
定員
50人・先着順
詳細
デザイナー向け・テーマ企業とのコミュニケーションデー