ガラス作家・山野アンダーソン陽子と18人の画家による
展覧会「ガラスの器と静物画」

伊庭靖子《untitled 2021–15》2021

広島市南区にある広島市現代美術館にて、展覧会「ガラスの器と静物画 山野アンダーソン陽子と18人の画家」が2023年11月3日(金・祝)から2024年1月8日(月・祝)まで開催される。

三部正博《ニクラス・ホルムグレンのアトリエに佇むガラス食器》2022

三部正博《イルヴァ・カールグレンのアトリエに佇むガラス食器》2022

山野アンダーソン陽子は、スウェーデン・ストックホルムを拠点に活動するガラス作家。ガラス食器という大量生産されるクラフトに関心を抱き、北欧最古のガラス工場である「コスタ」内の学校で吹きガラスの手法を習得。同国で17世紀より続いてきた工場制手工業の手間ひまのかかる技術にこだわり、制作をつづけている。

この展覧会は、「山野さんのガラス作品を本にしてみたらどうでしょう」という一言がきっかけとなり、山野とスウェーデン、ドイツ、日本から集まった18人の画家によるプロジェクト「Glass Tableware in Still Life(静物画のなかのガラス食器)」としてスタートした。

ニクラス・ホルムグレン《Anusha, double》2021

画家たちは自身で描いてみたいガラス食器について山野に言葉で伝え、その言葉に応答して山野がガラスを吹き、さらにでき上がったガラス食器を見ながら画家たちがその絵を描く。その後は写真家の三部正博が画家たちのアトリエを訪れて写真を撮り、デザイナーの須山悠里が本をデザインするというプロセスを展開した。

カール・ハムウド《Still Life With Books and Glass》2021

会場では、日々の暮らしでも使いやすそうなクリアーガラスの食器、それらを多種多様な表現で描いた絵画、そして画家のアトリエで撮影されたガラスの写真を展示。それぞれを作品として鑑賞しながら、作品と道具、鑑賞と使用、美術館と自宅、フィクションとリアルなどが混ざりあい、その境界が曖昧になるような体験を提供する。

また、クリアーガラスの食器、絵画、写真と、作品をジャンルごとに展示。ワンフロアの展示室の入口と出口をつなぎ、2周、3周とまわりながら思考を巡らせるなど、作品と作品、作家と作家、ジャンルとジャンルのあいだの関係性を想像させる展覧会となる。End

ガラスの器と静物画 山野アンダーソン陽子と18人の画家

会期
2023年11月3日(金・祝)~2024年1月8日(月・祝)
開館時間
10:00~17:00 ※入場は閉館の30分前まで
休館日
月曜日(1月8日は開館)、年末年始(12月27日~1月1日)
会場
広島市現代美術館 展示室B-2、B-3
(広島県広島市南区比治山公園1-1)
詳細
https://www.hiroshima-moca.jp/exhibition/glass_tableware_in_still_life