丹波焼の職人の工房に泊まり
作陶を体験できるツアー「陶泊」がスタート

兵庫・丹波焼の産地である丹波篠山市にて、陶工の営みに触れるツアー「陶泊」が2024年春から開始される。従来の陶芸体験だけでなく、陶工の自宅などに宿泊して生活をともにすることで、職人の手仕事や自然豊かな里の空気、土地の文化までも味わえる滞在型旅行を提供する。

丹波は、瀬戸、常滑、信楽、備前、越前とともに日本六古窯のひとつに数えられる焼き物の産地である。発祥は平安時代末期から鎌倉時代初頭とされ、現在も50以上の窯元が手仕事で作陶を行っている。時代の変化により窯元や職人の数が減少するなかで、何度も訪れたくなるような持続的な産地を目指して今回のプロジェクトをスタートさせる。

工房での宿泊では、職人の日常に触れ、ものづくりの現場を間近で見て体感することができる。また、個別の客室やシャワーなどの宿泊設備も用意しており、誰でも居心地よく滞在できるようになっている。

さらに、立杭でものづくりをする現役の職人たちがツアーガイドとして、地域や陶芸についての話を語り、参加者の関心や好みに合わせて施設を案内。現役の職人が教える陶芸では、参加者の要望を聞きながら、土堀や粘土作りといった作陶のプロセスを体験するなど、普段はできないようなやきものづくりが楽しめる。

11月5日(日)には、「陶泊」の開始に向けたオンラインイベントを開催。「多様な美意識が生まれ、育まれる里の本質とは何か」をテーマに、丹波焼の代表的な窯元のひとつである「俊彦窯」の工房から丹波焼と立杭地区の魅力を紹介する。End