Photos by Nerhol, Courtesy of artist and The Mass

東京都渋谷区のThe Massにて、アーティストデュオ Nerhol（ネルホル）による新作展「REVERBERATION」が2023年11月18日（土）から12月26日（火）まで開催される。

2007年に活動を開始したNerholは、主に彫刻を手がける飯田竜太と、紙などの平面的構成に取り組む田中義久によるアーティストデュオである。これまでの活動として、特定のモチーフの連続写真を何枚も物理的に積み重ね、それを彫刻し、そこに内包される重層的な時間や瞬間を表現する作品を発表するなど、ほかに類を見ない物理的な形態や視覚的な美意識を提示してきた。

同展では、彼らが近年継続的に取り上げてきた「帰化植物」をテーマにした新作を発表する。帰化植物とは、人間活動などのさまざまな要因によって本来の自生地からほかの地域へ運ばれ、やがてその土地で野生化した植物を指す。そこには、植物自体や植物を運んだもの、あるいは原因を作った人間の活動の歴史が存在する。また、私たちとはまったく異なる時間軸のなかで生き残ってきた帰化植物は、生命力と環境への適応力にあふれ、逞しさと美しさを湛えているという。

飯田と田中による対話から生まれるのは、私たちが普段なにげなく目にするものを改めて意識させ、そこに向き合う時間をもたらす作品群である。写真でも彫刻でもあり、瞬間でも歴史でもあるような、さまざまな問いと挑戦に満ちたNerholの新しい表現を体験してみてはいかがだろう。