ショールーム「THE FLOW」の外観。 Photos by Takumi Ota

大阪府八尾市に本社を置くユニットバス専門メーカーの日ポリ化工は、入浴文化の発信と創発の場となるショールーム「THE FLOW（ザ・フロー）」を、2024年2月26日（月）に大阪・御堂筋でオープンした。入浴時の高揚感を落とし込んだアート作品を展示するギャラリーと、入浴という行為の可能性を探求するラボという2つの施設を併設したカルチャーハブとなる。

インテリアデザインは、デザイナーの柳原照弘が率いるTERUHIRO YANAGIHARA STUDIOが担当。空間は床や壁にモルタルを使用したニュートラルな印象であり、列柱や壁が空間を緩やかに区切ることで、バスタブやアートが象徴的に見える場所を作り出している。

ギャラリーに展示されるのは、写真家の小山泰介が制作した作品「Universal Flowing」（2024）。全体としては曖昧で、はっきりと焦点が合わない視界であるが、どこか１点だけはシャープに見えるといった、入浴中に現れるような特別な景色を展開する。また、列柱に挟まれるバイブレーション仕上げのアルミニウム素地により、アートが放つ光がぼんやりと返照され、深い没入感を与える仕組みになっている。

一方、ラボは、入浴時間と隣接する多様なジャンルとともに、新しい生活概念を生み出すオープンな場となる。ブランドやクリエイター、研究者などとワークショップや発表を行い、風呂と異業種の知見をかけ合わせることで、入浴の多様性が行き交う、交差点のような場所になることを目指している。