ハンス J. ウェグナーの生誕110周年を記念した
子ども向けの「Yチェア」が登場

「CH24(Yチェア)」(右)と「CH24 チルドレン・Yチェア」

デンマークの家具ブランド カール・ハンセン&サンは、デザイナーのハンス J. ウェグナー(1914-2007)の生誕110周年を記念して、同氏が手がけた名作「CH24(Yチェア)」の子ども向けサイズ「CH24 チルドレン・Yチェア」を2024年4月2日(火)に発売した。

1949年にカール・ハンセン&サンと初めてコラボレーションしたウェグナーは、中国・明代の椅子にヒントを得て、バックレストとアームレストが同じ1本の木材でつくられた「CH24」をデザイン。スチームによる曲げ加工のバックフレームの安定性と快適性を最大限に引き出すために、特徴的なY字型のバックレストを開発したことから、「Yチェア」の名前が付けられた。

戦後のこの時期には、座面用に伝統的に使用されてきたレザーやファブリック、木材などの材料が不足していたことから、ウェグナーはペーパーコードを編み上げた座面を採用。数年ののちにその外観と品質をひじょうに好むようになり、その場しのぎの解決策が同氏のお気に入りの素材となった。

今回は、1950年の登場以来カール・ハンセン&サンで継続的に生産されてきた同チェアを、3歳以上の子ども向けサイズにアレンジ。オリジナルと同じく14のパーツで構成されており、1脚あたり100以上の工程が必要とされる各部の製作と組み立てのほとんどを手作業で行った。

個々のパーツを単純に同じ比率で縮小するのではなく、同製品に合わせた寸法を改めて割り出すことで、完璧なプロポーションを実現。75mにも及ぶペーパーコードの座面は、熟練した職人がていねいに編み上げており、ペーパーコード自体を細くすることでチェアのサイズに見合った軽快な表情を生み出した。End