「ライアン・ガンダー:ユー・コンプリート・ミー」
箱根・ポーラ美術館で展覧会を開催

Closed systems, 2024
Courtesy the artist and TARO NASU, Tokyo.
Photo by Ryan Gander Studio

神奈川県箱根町のポーラ美術館は、イギリス・サフォークを拠点に活動するアーティスト ライアン・ガンダー(Ryan Gander)の展覧会「ライアン・ガンダー:ユー・コンプリート・ミー」を、2025年5月31日(土)から11月30日(日)まで開催する。

Centred on the periphery, 2023
Courtesy the artist and TARO NASU, Tokyo.
Photo by Misako Misako

Idea Machine, 2024
Courtesy the artist and TARO NASU, Tokyo.
Photo by Ryan Gander Studio

ガンダーは、絵画、彫刻、映像、テキスト、VRインスタレーション、建築、出版物や書体、儀式、パフォーマンスに至るまで、幅広い表現方法を駆使しながら、芸術そのものの枠組みや意味を問い直してきた。展覧会のキュレーションをはじめ、大学や美術機関での指導活動、子どもたちの支援活動にも取り組むほか、書籍の執筆・編集やテレビ番組の制作・出演などを通じて、芸術や文化の普及にも貢献している。

You are repetitive and productive but you dream of being free, 2025
Courtesy the artist and TARO NASU, Tokyo.
Photo by Ryan Gander Studio

自身を「一種のネオ・コンセプチュアルであり、特定の様式をもたないアマチュア哲学者」と自称するガンダーは、日常に潜む物語や多層的な意味を、知的な遊び心と鋭いユーモアを交えながら表現する。その根底には、現実と虚構が複雑に絡み合うなかで見出される不在や死、不可視、潜在性といったテーマが展開している。

今回の展覧会では、全18点を展示し、その大半が日本初公開の新作だ。彼の家族とともに生み出された、彼の幼い子どもたちの声を使用する「アニマトロニクス」シリーズや、地名をそのままカンヴァスに写した絵画作品、さらには豊かな植生を誇るポーラ美術館のために制作した新たな動物作品などを紹介する。

You Complete Me, or I see things you canʼt see (A Frogs Tale), 2025
Courtesy the artist and TARO NASU, Tokyo.
Photo by Ryan Gander Studio

「アートの目的はコミュニケーションではなく、触媒として曖昧さを提供すること」だと語るように、ガンダーの作品は具体的でありながら、意味が固定されておらず、どこか捉えどころのない神秘性を備えている。同展では、鑑賞者に働きかけや連想、解釈を促すガンダー作品の魅力に触れることができる。End

ライアン・ガンダー:ユー・コンプリート・ミー

会期
2025年5月31日(土)~11月30日(日) 会期中無休
会場
ポーラ美術館 アトリウム ギャラリー、展示室4、ロビー
(神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山 1285)
詳細
https://www.polamuseum.or.jp/exhibition/20250531c02/