NEWS | インテリア
2025.05.05 10:00
「Stir」Ryosuke Akagi/RYOSUKE AKAGI DESIGN
Photo by Mai Orisaku
デザイナー 赤木亮介(RYOSUKE AKAGI DESIGN)は、2025年4月に行われたサローネサテリテ2025にて、「POESIA」をテーマとする新作照明「Dusk」と「Stir」を発表。今回の展示では、日々の生活の瞬間を切り取る詩のように、場所や時間を超えた情景を感じられるプロダクトの制作を目指した。
ペンダントライト「Dusk」は、赤木の故郷に広がる穏やかな内海と海に沈む太陽から影響を受けた作品。その形状は、雲の隙間から太陽の光の線が落ちる「薄明光線」をモチーフとしている。底面には窪みをつけることで、海の水面に光が反射して映り込んでいる様子を表現した。
また、透明ガラスに特殊な乳白色のガラスを混ぜることで、「光の散乱」という現象を生み出した。照明を点灯させると、夕方の空のような淡い色合いへと変化して、見る人の心をそっと揺さぶる。
「Dusk」Ryosuke Akagi/RYOSUKE AKAGI DESIGN
Photo by Mai Orisaku
一方、「Stir」は、職人の手作業と機械による工場製造という、2つの手法から生まれたガラスを組み合わせたテーブルランプ。同じガラスでありながらも、職人が手吹きしたものは柔らかく、機械で製造されたものは硬いという、異なる印象や質感が共存している。
上下に組み合わさった2種のガラスが光の層を作ることで、シェードの内部には光が浮き上がるような不思議な視覚効果が生じる。「Stir(混ぜる)」という名称が示すように、新旧の製造技術が混ざり合い、これまでにないニュアンスをもつガラス照明に仕上がった。
「Stir」Ryosuke Akagi/RYOSUKE AKAGI DESIGN
Photo by Mai Orisaku