NEWS | プロダクト
2025.05.29 12:30
2026年春、相模鉄道は新型車両「13000系」の営業運転を開始する。デザインコンセプトは「安全×安心×エレガント×未来」で、クリエイティブディレクターの水野 学(good design company)と、プロダクトデザイナーの吉田真也(SYD INC.)が手がけた。安全かつ安心を基本に、横浜を走る鉄道としてのエレガントさをまとい、さらには未来を見据えた環境への取り組みをも実現する車両である。
車両のカラーは、横浜の街が刻んできた歴史をイメージした濃紺色「YOKOHAMA NAVYBLUE」で統一。車両前面の中央部には同色のマット色を採用。前面は水を切り拓いて進む海の生き物のような流麗なフォルムに仕上げている。
前照灯は、「未来を見つめる目」をイメージした引き締まったデザインとし、駅への入線時にはホームから車両の横顔が美しく見える設計である。その両端部には13000系の「Concept Emblem」をあしらい、前照灯の内部には線路の色と同じ「さび色」をイメージした配色も取り入れるなど、ディテールにもこだわっている。
車内は、相鉄・JR直通線用車両「12000系」と比較して、先頭車の座席数を6席、1編成あたり12席を増設。グレーを基調としたカラーリングで統一し、荷棚や仕切り、貫通扉をガラス製とすることで、開放感のある室内とした。
さらに、長時間使用しても疲れにくい楕円形をベースとした吊り革、昼夜で色調が変わるLED照明、ベビーカー・車椅子用のフリースペース、立ち座りがしやすい「ユニバーサルデザインシート」など、乗客の多様なニーズに応える設備を導入。また、車内防犯カメラやパナソニックの「ナノイーX」空気清浄機を搭載し、安全性と快適性を一層高めている。
環境面では、消費電力の抑制により、同社の既存車両と比較して、1両当たりの走行にかかる電力使用量を最大で39%低減。ブレーキ時には回生エネルギーを活用できるなど、環境性能も大きく向上している。